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第2部   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第3章  研究成果関連の動向
第4節  ハイテク産業


 ハイテク産業 (注14) は研究開発に多くの投資を必要とし,その製品製造過程において高度な技術を要する。このことから,ハイテク製品の輸出額等は科学技術を駆使した産業の国際競争力の一つの側面を表す指標として見ることができる。そこで,OECDのデータをもとにハイテク産業の輸出額シェア及び貿易収支を各国比較する。


(注14)OECDでは製造額に対する研究開発費の割合を産業別に計算し,その値の大きい6産業(航空・宇宙,事務機器・電子計算機,通信機器,医薬品,精密機器,電気機械)をハイテク産業と定義している。

(主要国のハイテク産業の輸出額シェア動向)

 OECD諸国における1996年(平成8年)のハイテク産業輸出額の国別シェアは,米国,日本,ドイツ,イギリス,フランスの順となっている( 第2-3-25図 )。

第2-3-25図 OECD諸国におけるハイテク産業輸出額の国別シェアの推移

 全ハイテク産業輸出額については,イギリスを除き,主要国はシェアを減少しており,その他の国のシェアが増加して,30%を超えている。その中では,オランダ(4.8%),韓国(4.4%),イタリア(4.3%)の占める割合が高く,特にその他の国のシェアの増加が大きい産業は,通信機器,電気機械産業であり,いずれも10%以上シェアを伸ばしている( 第2-3-25図 )。

 我が国のシェアが高いのは通信機器(ラジオ,テレビ等)産業,精密機械産業,電気機械産業である( 第2-3-26図 )。しかしながら,通信機器産業において,我が国が世界第1位を維持しているが,そのシェアは減少してきており,イギリス,フランス,スウェーデン,メキシコ等がシェアを伸ばしてきている。

第2-3-26図 OECD諸国におけるハイテク産業別輸出額シェア

 一方,我が国のシェアが低い産業は,航空・宇宙,医薬品である。

(我が国のハイテク産業の輸出・輸入動向)

 我が国のハイテク産業における輸出額,輸入額の推移を見ると,輸出額は1985年(昭和60年)の輸出額と比較して大きな変化はない。一方,輸入額は,1996年(平成8年)の輸入額で見ると,1985年(昭和60年)の輸入額と比較して約4倍,1990年(平成2年)の輸入額と比較して約2倍の伸びを見せている( 第2-3-27図 )。

第2-3-27図 我が国の全製造業・ハイテク産業の輸出入額の推移

 ハイテク産業は,全製造業に比べて,輸出額,輸入額共に,景気の変動の影響をあまり受けていないのが見て取れる。特に輸入については,景気の変動の影響が小さく,上昇傾向を維持し続けている( 第2-3-27図 )。

(主要国におけるハイテク産業の貿易収支動向)

 主要国におけるハイテク産業の貿易収支の推移を見ると,我が国では,前述のとおり輸入が伸びているため,収支比は1に近付いている。米国は輸入が輸出を上回っているため,収支比は入超側で推移している。ドイツ,フランスは,1991年(平成3年)以降確実に出超側へ推移している( 第2-3-28図 )。

第2-3-28図 我が国の全製造業・ハイテク産業の輸出入額の推移

(我が国のハイテク産業の産業別の貿易収支)

 1996年(平成8年)の我が国のハイテク産業の産業別貿易収支は, 第2-3-29表 のとおりである。ハイテク産業全体の値よりも収支比が高い産業は,電気機械産業,通信機器産業,精密機器産業である。

第2-3-29表 我が国のハイテク産業の産業別貿易収支

 次いで事務機器・電子計算機産業は,全製造業における収支比とほぼ同じ値である。

 一方,医薬品産業と航空・宇宙産業の収支比は極めて低く,それぞれ大きく入超である。


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