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第2部   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第3章  研究成果関連の動向
第3節  技術貿易


 特許,実用新案,技術上のノウハウは,科学技術に関する研究開発活動を通して生まれる成果である。企業等はこれらの成果を自ら利用する以外に,権利譲渡,実施許諾等という形で国際的に取引している。このような取引は技術貿易と呼ばれる。

(我が国の技術貿易動向)

 我が国の技術貿易額については,日本銀行による「国際収支統計月報」(以下本章において「日銀統計」という)と総務庁統計局による「科学技術研究調査報告」(以下本章において「総務庁統計」という)がある。総務庁統計は我が国の研究活動の実態把握に主眼が置かれているのに対し,日銀統計は外国為替の管理に主眼が置かれており,調査目的が違うため, 第2-3-15図 の注4に記したとおり,調査方法,調査範囲等が異なっていることにより,両統計は異なったものとなっている。

第2-3-15図 主要国の技術貿易額の推移


 日銀統計による1998年(平成10年)の我が国の技術貿易額は,輸出(対価受取額)が73.8億ドル(9,659億円),対前年比1.0%増(ドルベース比較),輸入(対価支払額)が89.4億ドル(11,706億円),対前年比7.0%減(同)で,技術貿易収支比は,前年の0.76から0.83となっている( 第2-3-15 , 16図 )。

第2-3-16図 主要国の技術貿易収支比の推移

 総務庁統計による1998年度(平成10年度)の技術貿易額は,輸出が70.0億ドル(9,161億円),対前年度比1.8%増(ドルベース比較),輸入が32.9億ドル(4,301億円),対前年度比9.3%減(同)で,37.1億ドル(4,860億円)の輸出超過(以下本章では「出超」という)であり,技術貿易収支比は前年の1.90から2.13になっている( 第2-3-16図 )。新規分(当該年度に新たに結んだ契約による技術貿易)のみの技術貿易額は,輸出が648億円,対前年度比67.7%減(ドルベース比較),輸入が532億円,対前年度比17.1%減となっている。新規契約分についての貿易収支では,116億円の出超で,技術貿易収支は1.22となっている( 第2-3-17図 )。

第2-3-17図 我が国の新規分技術貿易収支比の推移

(主要国の技術貿易動向)

 主要国の技術貿易の輸出入額を見ると,企業活動のグローバル化の進展や知的財産権を重視する近年の傾向を反映して拡大傾向にある( 第2-3-15図 )。

 各国の統計の作成方法により違いがあり,単純な比較はできないが,1998年(平成10年)の技術輸出額では,米国が圧倒的に多く,日本,ドイツ及びフランスを断然引き離している。

 これに対して,1998年(平成10年)の技術輸入額(対価支払額)では,米国,日銀統計による日本,ドイツ,総務庁統計による日本,フランスの順となっている。

 この結果,主要国の中では米国が大きく出超となっており,フランス及びドイツは輸入超過(以下本章では「入超」という)である( 第2-3-16図 )。

 主要国間の技術貿易収支もそれぞれの国によって統計の作成方法に差異があるため,単純な比較はできないが,全体的に見て米国が最も強く,各国に対して圧倒的に出超となっている。我が国の統計では,年々輸出を伸ばしてきており,1997年(平成9年)は米国,イギリスに対して出超だったものが,1998年(平成10年)になり,医薬品,電気機械工業の技術輸出の大幅な伸びにより,フランスに対しても出超に転じている( 2-3-18表 )。

第2-3-18表 主要国の相手国別技術貿易収支比

(我が国の国(地域)別技術貿易動向)

 総務庁統計によると,我が国と主要国との技術貿易収支比は,年度によってばらつきはあるものの,長期的には増加傾向を続けている( 第2-3-19図 )。

第2-3-19図 我が国と主要国との技術貿易収支比の推移

 1998年度(平成10年度)の我が国の技術貿易を地域別,国別に見る。

 技術輸出額では,北アメリカが全輸出額の52%を占めている。次いでアジアが28%を占め,2地域で全体の8割を占める。米国は単独の相手国としては最も多く4,260億円と全輸出額の47%を占めている。アジアで主要な相手国は台湾(503億円),中国(434億円),韓国(385億円),タイ(304億円)であり,この4か国でアジアへの輸出額の64%を占めている( 第2-3-20 , 21図 )。

第2-3-20図 主な国別技術貿易の構成比

第2-3-21図 我が国の地域別技術貿易額

 技術輸入額では,北アメリカとヨーロッパがほとんどを占めている。特に米国からの輸入が多く3,038億円と全輸入額の71%を占めている( 第2-3-20 , 21図 )。

 1996年度(平成8年度)までは,ヨーロッパ,北アメリカで入超,アジアでは出超という傾向であったが,1997年度(平成9年度)以降は全ての地域で出超となっている( 第2-3-20 , 21図 )。

(我が国の業種別技術貿易動向)

 1998年度(平成10年度)の製造業の業種別技術貿易額を総務庁統計で見ると,輸出については自動車工業,通信・電子・電気計測器工業,電気機械器具工業,医薬品工業が多く,これらの業種で製造業全体の82%を占めている。一方,技術輸入については,通信・電子・電気計測器工業,電気機械器具工業,医薬品工業が多い( 第2-3-22図 )。

第2-3-22図 我が国の主要業種の技術貿易額の推移

 技術貿易収支比の推移をみると,自動車工業は,1983年度(昭和58年度)以降出超が続いており,技術貿易収支比は増加傾向にある。通信・電子・電気計測器工業は一貫して入超となっているが,均衡しつつある。かつて入超であった電気機械器具工業の技術貿易収支比は,1993年度(平成5年度)以降は出超となっている。医薬品工業は近年,収支がほぼ均衡していたが,1996年度(平成8年度)より出超の傾向を強めている( 第2-3-23図 )。

第2-3-23図 我が国の主要業種の技術貿易収支比の推移

 これを国別・主要な業種別の収支で見ると,自動車工業は,全ての国に対して出超となっており,特に米国,イギリスが大きい。通信・電子・電気計測器工業は,台湾,シンガポール,中国などの東南アジアの国々で出超,米国,オランダ,フランスで入超となり,全体ではわずかながら入超となっている。医薬品工業は,米国,フランスで出超,イギリス,ドイツ,オランダ,スイス,スウェーデンで入超となっており,全体では出超となっている( 第2-3-24表 )。

第2-3-24表 我が国の主要業種の技術貿易の国別収支


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