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第2部   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第3章  研究成果関連の動向
第2節  特許


 一般的に特許出願が多くなされている国は,企業等の研究開発が活発な国だと考えることができる。加えて外国出願が多くなされている国は,将来的な海外生産拠点,市場の確保に対し積極的な戦略を展開していると考えることができる。また,特許登録件数が多い国は,有用な特許発明が数多くなされている国だと考えられる。

(主要国の特許出願・登録動向)

 1997年(平成9年)における主要国の特許出願件数(自国及び他国への出願の合計数(他国への出願については,特許協力条約出願(PCT出願) (注11) ,欧州特許出願(EPC出願) (注12) による指定件数を含む))をみると,米国約159万件,日本約66万件,ドイツ約44万件となっている。1989年(平成元年)までは日本が出願件数で世界第1位であったが,1990年(平成2年)にEU,1992年(平成4年)に米国に逆転されている。特に米国の1991年(平成3年)以降の出願件数の伸びは目覚ましく,1991-1997年の6年間で約41万件から約159万件へと約4倍となっており,1996年(平成8年)にはEUを抜いて世界第1位になっている( 第2-3-7図 )。この間米国の外国出願件数の伸びは大きく,約32万件から約146万件と約4.6倍に伸びている(同期間の国内出願件数の伸びは1.4倍)。このことは,米国企業が特許等の知的財産権を重要な戦略手段と位置付け,国際的に展開していることの表れでもある。実際,米国人は世界中で広範に特許出願しており,日本,カナダ,欧州等の先進国だけでなく,韓国,香港,インド,マレーシア,タイ,ブラジルなど,今後生産拠点となる可能性のある国や市場になる可能性のある国において,積極的に特許を取得している( 第2-3-9表 )。これに対し,我が国の外国出願件数は,1991-1997年で約13万件から約31万件と約2.3倍(国内出願は1.0倍)である。

第2-3-7図 主要国の特許出願件数の推移

 一方,登録件数の推移を見ると,1995年(平成7年)以降横這いになってはいるものの,EUは1997(平成9年)時点で登録件数が約23万件で世界第1位である。我が国は,1992年(平成4年)以降,米国と拮抗しており,1996年(平成8年)には,我が国が約27万件で最も多くなった( 第2-3-8図 )。ただし,これは,1996年(平成8年)に我が国において特許付与後異議申立制度が導入されたことに伴い,登録時期が早まったため,国内登録件数が,1995〜1996年で約9万件から約18万件と約2倍になったことが影響している( 第2-3-12図(2) )。1997年(平成9年)では約20万件と前年よりは減少したものの,1991年(平成2年)以降の推移を見ると,着実に増加していると言える。

第2-3-8図 主要国の特許登録件数の推移

また,主要国の特許出願・登録傾向を出願先の国別に見ると,我が国以外の主要国では出願件数の8割以上,登録件数の6割以上が外国に対するものである( 第2-3-9表 )。

第2-3-9表 主要国における国籍別出願及び登録件数


(注11)1978年に特許協力条約(PCT)が発効し,これにより出願人は1つの出願を1か所に提出することで,希望する複数の国(指定国)に同時に出願したのと同等の効果を得ることができるようになった。PCT締約国は108か国(2000年(平成12年)3月17日現在)である。


(注12)欧州では1977年に欧州特許条約(EPC)が発効し,欧州特許庁(EPO)は1978年6月より欧州特許出願(EPC出願)の受付を開始した。EPOにおける審査の結果,欧州特許が付与されると,出願人が指定したEPC加盟国(複数国の指定が可能)の各国内法で特許権が付与されたのと同一の効果を発生する。EPC加盟国は19か国(1998年(平成10年)4月1日現在)である。

(日本人の外国への特許出願・登録状況)

 日本人の出願傾向としては,外国出願の割合が1997年(平成9年)で約47%と他の主要国に比べ低くなっている( 第2-3-9表 )。

 外国出願の出願先としては,米国の割合が高く,約31万件の外国出願のうち,14.3%の4.4万件が米国に出願されている。次いでドイツ,イギリス,フランス,イタリアの順となっている。また,フィンランド,ポルトガル,ルクセンブルク,ギリシャ,デンマーク,ベルギー,スペイン,スウェーデン,スイス,オランダの各国については,出願数がそれぞれ1万件を超え,2.0〜3.4倍の伸びを示した。アジア諸国で日本からの出願件数の多い国は,中国で約0.9万件であった( 第2-3-10図(1) )。

第2-3-10図 日本人の外国への特許出願及び登録件数

 主要国における特許出願のうち,日本人の占める割合は,1997年(平成9年)において米国で最も多く,以下,フランス,オランダ,イギリスの順となっている( 第2-3-11表 )。

第2-3-11表 主要国における特許出願及び登録件数のうち日本人の占める割合の推移

 日本人の外国への特許登録傾向を見ると,1997年(平成9年)は米国における登録件数の割合が高く,約7万件の外国登録のうち,約3割の2.3万件が米国で登録されている。次いでドイツ,イギリス,フランス,イタリアと続いている。登録に関しては,主要国に集中しており,米国,ドイツ,イギリス,フランスを合わせて7割強を占めている( 第2-3-10図(2) )。

(我が国への特許出願・登録動向)

 我が国への特許出願件数は1992年(平成4年)に37.2万件に達し,その後,複数の発明を1件の出願にまとめて出願できる制度の導入等により減少したが,1995年(平成7年)に増加に転じ1998年(平成10年)は40.2万件で,対前年比4.0%と増加した( 第2-3-12図(1) )。

第2-3-12図 我が国における特許出願及び登録件数の推移

 そのうち,外国人による我が国への特許出願件数は近年ほぼ横這いで推移していたが,1995年(平成7年)から増加し,1998年(平成10年)は約4万件で,対前年比4.4%の増加となった。これを国籍別に見ると,米国が最も多く,ドイツ,韓国,フランス,イギリスと続いている( 第2-3-13図(1) )。ドイツ,フランス,イギリスについては減少ないし横這い傾向にある。

第2-3-13図 我が国への外国人の特許出願及び登録件数

 しかし,外国人が我が国に出願する特許の件数の割合は我が国における全出願件数の約16%であり,他の主要国で約40%以上であるのに比べると著しく低い( 第2-3-9表 )。

 特許出願件数を技術部門別に見ると,1997年(平成9年) (注13) には処理・操作・輸送部門,電気部門,物理部門の順に多くなっている( 第2-3-14表 )。

第2-3-14表 我が国への分野別特許出願件数

 我が国への特許登録件数は,1991年(平成3年)を境に上昇傾向を見せており,1998年(平成10年)現在,特許登録件数は約14万件である( 第2-3-12(2)図 )。なお,1995年(平成7年)から1996年(平成8年)の大幅な件数の伸びは付与後異議申立制度等の影響によるものである。1997年(平成9年)の減少は,1996年(平成8年)に,前述の特許付与後異議申立制度が導入され,これにより登録時期が早まったためである。

 そのうち,外国人による我が国への特許登録件数を国籍別に見ると,米国が最も多く,次いでドイツ,韓国,フランスとなっている。欧米諸国の我が国への登録件数が減少傾向にある中,1994年(平成6年)から1998年(平成10年)にかけて韓国が我が国への特許登録件数を96件から1,248件と,13倍と大きく伸ばし,第3位となった( 第2-3-13(2)図 )。

 外国が我が国で登録する特許の件数の割合は,我が国における特許登録件数の12%であり,他の主要国で約40〜90%であるのに比べ,出願件数と同様,著しく低い( 第2-3-9表 )。


(注13)特許に特許分類が付与されるのは出願公開の時点(1年半以上経過後)である。


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