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第1部   21世紀を迎えるに当たって
第3章  21世紀における科学技術と社会の関係
第3節  科学技術に対する信頼回復
2.  科学技術者の社会的責任意識の高揚と倫理観の徹底のための組織的な取組


 上記に示した科学技術者の社会的責任意識や倫理観の徹底のためには,科学技術者個々の努力に委ねるだけではなく,我が国全体の問題として,組織的な取組を行っていくことが必要である。このためには,学校教育や企業内教育における倫理教育や安全教育の充実等を通して,国,地方公共団体,事業者,労働者,国民一般がそれぞれの役割に応じて積極的な取組を行い,社会全体での倫理意識や安全意識を高めることが重要である。

 事業者においては,高度な安全管理意識を企業全体に浸透させ,企業風土として安全文化を醸成するなかで安全確保を万全なものとしていくことが求められる。また,研究開発活動を行う民間企業に対する調査では,研究者・技術者の倫理観等についての社内基準等を設けている製造業は半数近くに上るが( 第1-3-16図 ),今後,このような倫理規定等の整備を進めるとともに,有効に機能させる方策や,教育の場における技術者の倫理教育の充実が図られるべきである。

第1-3-16図 民間企業で講じている研究者・技術者の倫理観等を高めるための方策

 また,政府においては,特に「安全文化」の創造,安全意識の徹底を図るための取組が必要とされる。そのために,初等中等教育における各教科や道徳を通じての安全意識を高揚させる教育,高等教育における理工系学部等の安全教育の充実等,学校教育全般を通じた安全教育の取組を進めることが必要である。また,事業者に対しては,労働安全衛生マネジメントシステム等のリスクマネジメント手法の普及・促進などの安全教育と安全意識の徹底を図る対策を講じるとともに,法令遵守の徹底と法令違反に対する厳正な対処が必要になる。

(技術者教育認定制度及び技術士制度における職業倫理の徹底)

 我が国においては,民間団体が関係学会,産業界と連携を図り,大学等の技術者教育の質の向上と国際的な通用性を高めるため,大学等の高等教育機関において技術者倫理なども含めた一定水準の教育を受けていることを保証する技術者教育認定制度(アクレディテーションシステム)構築への取組が進められているところであり,これらの活動を通じて技術者倫理に関する教育の充実が図られることが期待されている。

 また,技術士法に基づき,科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,設計等の業務を行う能力を認定し,「技術士」の資格を付与してきている。この技術士制度について,国際的な技術者資格の相互承認への適切な対応等のため制度改善を行うこととしているが,この一環として,技術に携わる者の責務として,公共の安全,環境の保全等の公益を害することのないよう業務を行うことが技術士活動の前提である旨の社会的な責務を追加することとし,具体的には,技術士試験や継続教育を通じて,職業倫理の徹底を図ることとしている。


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