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第1部   21世紀を迎えるに当たって
第3章  21世紀における科学技術と社会の関係

 これまで見てきたように,今世紀,科学技術は社会のあらゆる面に深く関わり,我々の生活レベルを飛躍的に高めてきた。

 しかしながら,20世紀の発展に伴って,地球規模の環境問題,資源・エネルギー問題という,人類の存続すら脅かしかねない負の側面を抱えることとなった。21世紀においては,各種資源の消費に対する制約が強まるのに加え,本格的な少子高齢化社会が到来し,労働や資本の投入にこれまでのような期待ができなくなることから,安定した経済発展のためには,尽きることのない資源である「知識」を活用した技術革新にますます依存せざるを得なくなるであろう。また,世界は,世紀の変わり目にあり,多くの人々が新たな社会の構築を期待している。そのような中で,近年の高度情報化の進展が新たな世紀のパラダイムを予感させるようになってきている。すなわち,20世紀がモノに彩られた世紀と捉えられるのに対し,21世紀は人間の知恵のもうひとつの産物である知識が社会の基本的な原動力となる,「知識基盤社会」へと社会が急速に移行していくことが予想される。このようにして21世紀には,知識の発現の中核である科学技術が社会に貢献していくことが一層求められる。

 さらに,21世紀に本格化する高度情報通信社会が抱える新たな差別や犯罪の問題,ライフサイエンスの進展に関わる生命の操作などの倫理問題など,科学技術の進展がもたらす負の側面が,我々の生活にますます影響を深めていくものと考えられる。

 このように,21世紀には,社会との関係を如何に構築していくかに配慮しながら,科学技術の振興に取り組んでいくことが必要になる。

 平成11年5月の日米首脳会談において,今後,科学技術と社会との関係がより一層重要性を増していくとの共通理解の下,21世紀の社会における科学技術の役割に関する日米対話を行うことが合意された。我が国のみならず,国際的にも科学技術と社会とのかかわりについて,関心が高まってきている。

 折しも,このような科学技術のより一層の振興と,科学技術と社会のより良い関係構築が迫られる時期に,我が国においては,行政改革の一環として新たな科学技術行政体制に移行する準備が進められている。新たな科学技術のパラダイムを構築するまたとない機会である。

 本章では,21世紀に望まれる科学技術と社会の関係の構築に向けた取組を示していきたい。


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