ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第1部   21世紀を迎えるに当たって
第2章  20世紀の科学技術の人類社会への貢献と今後の課題
第2節  科学技術に対する国民の理解の現状
2.  科学技術に関する国民の理解を深めるための取組の現状


 科学技術に関する活動は,安全保障や商業的権利の保護といった制約はあるものの,本質的には,社会に対して透明性の高いものである。一方で,その高度な専門性のために,関係者だけが理解する論理や情報を内包し得る,ともすれば閉鎖的と見られかねない面をもつ。したがって,科学技術社会は,常にそのような側面の存在を認識し,透明性の確保に心がけ,社会との間の溝を埋める努力をしていかなければならない。


(1) 科学技術関係の情報公開の進展

 科学技術の成果は,論文や特許情報等広範な場を通じて公開されている。科学技術関係行政情報についても,平成13年4月に施行される「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」の下,その公開を義務付けられることとなるが,既に,各種審議会の審議の公開,議事資料の公開を始めとして,幅広く公開されている。また,このような情報についてはインターネットを通して迅速かつ広範に国民の手に届くようにされ,また,一部ではインターネットを通して国民の意見を公募する段階にきている。

 このような科学技術行政情報の公開の進展は,前項で述べた原子力問題に関する社会との関係を見直す中で牽引されてきたとも言える。そこで,原子力に関する情報公開等の進展をひとつの事例として紹介する。


(2) 原子力行政にかかる情報公開と国民参加の促進

 原子力委員会は,平成7年12月に発生した高速増殖炉原型炉もんじゅのナトリウム漏洩事故を受け,今後の原子力行政の進め方について国民的合意の形成が必要であると考え,平成8年4月に原子力政策円卓会議を設置した。同会議では,我が国のエネルギー確保の観点のみならず,地球環境問題への対応,豊かで潤いのある社会の実現等に関し,多角的な議論を行うとともに,シンポジウム,地域フォーラム等の開催を行い,国民各層からの幅広い意見を聞き,原子力政策に反映させることとした。

 第5回までの会議の結果,「原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加への促進」について,今後,原子力委員会として必要な措置を執るよう要請するとされた。

 この要請を受けた原子力委員会は,平成8年9月に,原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について,

○政策決定過程への国民参加として,専門部会等の報告書の策定に際し,国民に意見を求め,報告書案に対する意見を募集し,反映すべき意見は採用し,不採用意見については理由を付して報告書と併せて公開する。
○原子力に関する情報公開の充実のため,原子力委員会の専門部会等の会議を原則として全て公開する。また,情報公開請求への対応体制の整備については,迅速かつ適切に対応するため,関係行政機関と連携して体制整備を行う。
○また,インターネットを活用して,議事録,会議資料等を速やかに提供する。
○なお,核不拡散,核物質防護,外交交渉に関する事項等の扱いについては,会議の非公開,情報の提供等について慎重に取り扱う。

との対応策を取ることとした。

 また,原子力安全委員会においても,平成8年12月に原子力安全委員会における情報公開について,

○原子力安全委員会本会議,専門部会等及び専門審査会を原則全て公開する。ただし,核不拡散,核物質防護,財産権の保護,外交交渉に関する事項等を審議する場合には,非公開とすることができる。
○原子力安全委員会本会議,専門部会等及び専門審査会の議事録及び会議資料は,非公開審議のものを除き全て公開する。なお,核不拡散,核物質防護,財産権の保護,外交交渉に関する事項等慎重に取り扱わざるをえない情報については非開示情報とし,非開示にする場合には理由を示すこととする。
○専門部会等の報告書案については,一定期間これを公開し一般からの意見の公募を行い,専門部会等で当該意見を検討した上,反映すべき意見は採用し,専門部会等の報告書として決定する。不採用意見については理由を付して報告書と併せて公開する。
○また,設置許可等の後に行政庁が確認すべき重要事項について,調査審議し報告書を作成する場合にも同様の取扱いとする。
○なお,専門審査会で故障・トラブルについて,調査審議し報告書を作成する場合も,報告書案の意見照会と同様の取扱いとする。
○対話の推進として,主要な調査審議の結果については,地元自治体等の要望を踏まえ,説明・意見交換会を開催していくとともに地元自治体等が主催する同種の会合等に積極的に参加していく。

こととした。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ