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  付属資料
3.  主要先進諸国の科学技術政策の動向
(5)  EU


1)フレームワーク計画

1984年に最初の「フレームワーク計画」を策定し,現在,1998年12月に欧州理事会,欧州議会において共同決定された「第5次フレームワーク計画」(1998〜2002年)を推進中。従来のフレームワーク計画よりも,社会経済目標の達成を強く意識しているのが特徴である。本計画の目的は,EU産業の科学技術ベースを強化し国際レベルでより競争力のあるものにすること,EUの市民の生活の質を向上させること及びエコロジカルな側面も含めたEUのめ持続的成長全体に貢献することである。計画の実施に当たっては,科学技術的な価値とその目的への関連性という2つの原理をベースにしている。

計画は,次の4種類の活動から成っている。

○研究,技術開発及び実証
○EU域外との協力の推進
○研究成果の普及とその最大限の活用
○研究者の訓練及び流動への刺激

具体的な活動を選択する際の基準は,以下の3つによるが,3つとも満たされることを必要としている。研究,技術開発及び実証の活動の内容は 付3-11表 のとおり。

○EUによる付加価値

・人材の専門性や使える資源を結び付けることによって,人的・財政的資源のクリティカルマスが達成されるか等

○社会的目標

・雇用状況の改善
・生活の質の向上・健康の増進
・環境の保全

○経済発展,科学技術的展望

・成長しつつある,成長の見通しのある領域
・EUの産業が競争的である領域,競争的であるべき領域
・科学技術上の大きな発展の可能性が開けつつあり,中長期的に成果の普及,活用の可能性が示されている領域

付3-11表 EU第5次フレームワーク計画における研究,技術開発,実証活動

研究資金については,全体で,137億ECU(前計画に比べ,当初予算ベースで約11.4%増)であり,欧州全体の研究費の約8%を占めている。その資金のうち,EUの付属研究機関である共同研究センター(J RC)で直接使用される研究費は,わずかに5.4%であり,大半は,間接的なグラント,補助金,委託費などである( 付3-12表 )。

2)ユーレカ(EUREKA)計画

欧州企業の国際競争力強化を目的として,1985年に「ユーレカ(EUREKA)計画」を策定した。本計画は,具体的なテーマを有する民間企業,大学,研究機関の提案に基づき,先端技術分野での国際共同研究を支援するものであり,ユーレカ加盟の2ヶ国の参加が必要となっている。本計画により,研究費用の助成,パートナー探し,市場調査等の支援を行っている。

付3-12表第5次フレームワーク計画の予算内訳

現在,活動中のプロジェクトは,682件,参加機関は,約3,000機関,総予算額8,576百万ECUである。一方,終了したブロジェクトは714件,それに投入した総予算額は11,888百万ECUである。

3)欧州におけるイノベーション活動計画

欧州は,他の工業国と比べ,科学研究水準が高い反面でイノベーションの水準が低いことが問題視され,その振興が優先課題と考えられるようになり,1996年11月に「欧州におけるイノベーション活動計画」が策定され,1997年から実施に移されている。同計画は,欧州のイノベーション基盤を強化するために下記の基本方針を明確にしている。

○真に革新的な文化の振興

・教育訓練,研究者や技術者と企業との間の交流の振興を欧州委員会と加盟国が協力して展開。

○イノベーションを支援するための環境的枠組みの整備

・欧州特許システムを簡素化し,費用を削減。リスクキャピタルへの投資,技術指向型の成長企業に役立つような欧州投資市場の環境整備を強化するための法的・財政的措置

○イノベーションに対する研究開発の寄与の重視

・研究開発とその成果利用に関して将来予測に基づいた戦略的計画の策定。
・企業の研究開発活動への投資を促進。
・技術指向の企業の事業立ち上げ支援の強化。
・大学と企業の研究活動における相互協力の促進。
・中小企業における新技術やノウハウに対する吸収能力を高めること。

などの加盟国が行うこのような努力への側面からの支援。

具体的な活動としては,特許制度の改革,革新的プロジェクトの初期段階へのベンチャー資金(総額380百万ECUの投資額を予定)の確保等を行っている。


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