ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
 
  付属資料
1.  科学技術基本計画のフォローアップについて(中間取りまとめ)


平成11年4月22日

科学技術会議政策委員会

1 はじめに

科学技術会議政策委員会は,科学技術基本法(平成7年制定)に基づき平成8年7月に策定された科学技術基本計画のフォローアップを行うため,昨年10月より,1)約100人の幅広い有識者からの意見聴取,2)関係省庁の協力による現行計画中の諸施策の推進状況に関する調査を実施し,それらの結果を中心に検討を行ったところ結果を以下に取りまとめた。

2 意見聴取及び推進状況調査の結果

本中間取りまとめは,現行計画(対象期間:平成8〜12年度)の策定後約3年を経過した現時点における諸施策の推進状況を把握し(結果は別紙参照),科学技術振興上の諸課題及び今後の政策の目指すべき方向について意見を求め,それらを集約したものである。

(1)科学技術全般のレベルアップに大きく貢献

科学技術が重要政策の柱として位置付けられ,政府研究開発投資については,平成8年度から平成11年度予算までに総額13.3兆円の投資がなされ,その結果,研究開発の現場が著しく活性化される等,科学技術全般のレベルアップに貢献したことを大きな前進と高く評価する声が多かった。

(2)現行基本計画の目標達成に向けて更なる努カが必要

「ボスドク等1万人支援計画」や任期付任用等の制度の改革等,現行計画に掲げられたいくつかの目標については大きな進捗が見られたが,今後は研究者養成・確保の観点から,質的側面にも配慮したきめ細かな充実方策が必要との指摘が多かった。

施設・設備の老朽化・狭隘化対策,情報通信基盤・知的基盤整備の推進,研究支援者の充実等いくつかの項目については,これまでの取組にもかかわらず,現在の水準はなお不十分であり,今後一層の努力が必要であるとの指摘が多かった。

また,研究開発とりわけ基礎研究の成果は直ちに得られるものとは限らないが,今後は,研究の成果についても十分意識しつつ政策を展開すべきとの意見も聞かれた。

(3)指摘された今後の課題

1)国家的・社会的課題に向けた分かりやすい科学技術の目

標設定と基礎研究の推進

我が国の経済を巡る依然として厳しい状況や急速な少子高齢化の進行などの諸課題に直面する中,競争力強化を通じた産業の再生に必要な研究開発,技術移転,基礎研究の強化などを総合的かつ強力に推進すべきであるとの意見が多く聞かれた。現行計画が国家として重点的に取り組むべき科学技術の目標について必ずしも明確に示していないことに留意し,今後は国家的・社会的課題に対応した科学技術の目標を分かりやすく定め,それに向かって戦略的・重点的に取り組むことの重要性が指摘された。

また,基礎研究の成果は国家の広範な活動の基盤をなし世界人類の知的資産の拡充に貢献するものであるとともに,時として全く新しい技術体系の出現をもたらす「無限の資源」であるとの考え方のもと,国としてその振興に引き続き積極的に取り組むことの必要性が指摘された。今後は,21世紀に到来する知識基盤型社会を視野に,世界の基礎研究をリードすることで,人類の知的体系の発展において重要な役割を果たし「知的存在感のある国」となることが重要であるとの指摘がなされた。

2)世界水準の科学技術を目指した環境作り

現行の計画は,研究者が創造性を発揮できるように,より競争的で流動性のある環境を目指した施策の展開を図ってきたが,その進展は未だに不十分で,更なる取組が必要である旨指摘された。研究開発資源を有効に活用しつつ,今後は,世界との競争をより一層明確に意識し,研究の質的向上を目指した環境作りが必要で,そのための新たな課題として,

・研究現場の需要に対応して,優秀な研究者の養成・確保を図り,あわせて研究支援機能を強化・充実すること,
・その際,日本人研究者の養成・確保に加え,優秀な外国人研究者の積極的な雇用等を通じて世界水準の頭脳を国際的に確保すること,
・労働市場全体の流動化が進んでいない中,研究者の流動化を積極的に促進する上での諸課題に対応すること,
・研究開発資源(研究人材,研究資金,施設・設備整備)間のバランスを確保し,資源の最適な活用を図ること,
・施設・設備の整備に当たっては,重点化を図りつつ,世界水準のものを整備すること,
・研究者,とりわけ若手研究者が,自発的な研究に専念でき,個人としての才能を最大限に発揮し質の高い研究成果をより多く創出できるような仕組みの整備や制度の運用面の改善を図ること,

等の重要性が顕在化してきたとの指摘も多くなされた。

3)世界に通用する評価システム

研究評価については,現行計画に示された大綱的指針が平成9年に策定され,それに基づいた評価の実施が定着しつつあるが,評価結果の資源配分や処遇等への反映が不十分であることや,評価に多大な労力が必要である等の問題の指摘とその改善を求める声が多く聞かれた。

今後は,世界水準の研究を達成するための評価システムづくりと機関や研究の性格を考慮した評価結果の資源配分等への反映の必要性が強く指摘された。

4)行政改革への期待

行政改革で国立試験研究機関の多くが独立行政法人化されること,総合科学技術会議が内閣府に設置されること等現行計画策定以降,新たな科学技術行政体制の整備が進められていることなどを踏まえ,その実効性ある運用に対する強い期待が示された。

5)その他の課題

その他,21世紀の社会と科学技術の係わりに配慮した政策展開,21世紀の人類が直面する環境,食糧等地球規模の問題への対応等国際的な活動の展開,自然科学と人文・社会科学の緊密な連携,地域の活性化を目指した科学技術活動の展開,科学技術の理解増進,教育への期待等科学技術を取り巻く広範な政策課題が指摘された。

3今後の対応

当政策委員会としては,意見聴取及び進捗状況調査を通じて明らかになった政策課題について,重要であり早期に対応を必要とするものが数多く含まれていると考える。これらの諸課題は大きくまとめれば,

(1)国家的・社会的課題を如何に明確化し,そのための科学技術の目標を如何に分かりやすく設定し具体的な推進方策を立てるか,
(2)科学技術の基盤であり知的資産の拡充に貢献する基礎研究,競争力ある産業技術の育成に寄与する科学技術を如何にして世界水準に高めるか,

という2つの課題に集約されるものと考える。

今後は,これらの視点を中心にフォローアップ作業を継続し検討を深めることとする。

以上

科学技術基本計画の推進状況




前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ