ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
 
第3部  科学技術の振興に関して講じた施策
第1章  科学技術政策の展開
第1節  科学技術基本計画


科学技術基本計画は,我が国の科学技術が,内外の諸問題への対応や人類共有の知的資産の創成といった,それ自体の重要性にもかかわらず,近年経験したことのないほど厳しい状態にある,との認識を背景に策定された。長引いた不況の影響により,我が国の研究開発投資は,日本全体で平成5年度,6年度と2年連続して減少し,また,政府研究開発投資は対GDP比率において,欧米主要国の水準を依然として下回っていた。さらに,研究開発システムについても,柔軟性・競争性が低いこと等が制約として顕在化してきていた。

このため,科学技術振興における我が国の最優先課題として,1)科学技術を巡る環境を柔軟かつ競争的で開かれたものに抜本的に改善し,2)我が国の産学官全体の研究開発能力を引き上げるとともに,3)それを最大限発揮し,研究成果を円滑に国民や社会,経済に還元するべく,科学技術基本計画が策定され,新たな視点に立って,変革をめざした科学技術政策を推進することとなった。

この基本計画は,科学技術の振興に関する施策を総合的,計画的かつ積極的に推進するため,今後10年程度を見通した平成8年度から12年度までの5年間の科学技術政策を具体化するものとして策定されている。

科学技術基本計画の概要

科学技術基本計画の本文は二つの章によって構成されている。

第1章では,研究開発の推進に関する総合方針として,今後の研究開発推進の基本的方向を定めるとともに,その実現のための研究開発推進の体制及び条件の整備の方向を定めている。

第2章では,第1章で定められた方針に沿って,今後5年間に講じる具体的措置が定められている。

◎研究開発推進の基本的方向

○社会的・経済的ニーズに対応した研究開発の強力な推進

☆新産業の創出や情報通信の飛躍的進歩などの諸課題に対応
☆地球環境,食料,エネルギー・資源等の地球規模の問題の解決
☆生活者のニーズに対応した健康の増進や疾病の予防・克服,災害の防止などの諸課題の解決

〇基礎研究の積極的な振興

物質の根源,宇宙の諸現象,生命現象の解明など新しい法則・原理の発見等により,人類が共有し得る知的資産を生み出し,人類の文化の発展に貢献する基礎研究の振興

◎新たな研究開発システムの構築

創造的な研究開発活動の展開のためのシステム

○柔軟かつ競争的で開かれた研究環境の実現〜研究者の能力の涵養,創造性の発揮

☆国立試験研究機関に任期付任用制を導入

・優秀な研究者を円滑に結集するため
・若手研究者の創造的能力涵養と登竜門として(大学は検討の結論を早期に得て対処)

☆公募などによる競争的研究資金の大幅な拡充など多元的研究資金を拡充

〇活力ある若手研究者,研究支援者の養成・確保

☆大学院等の充実など教育の改善・充実と奨学金等の拡充
☆ポスドク等1万人支援計画を平成12年度に達成
☆研究支援者数を,国研で研究者1人当たり1人,国立大学で研究者2人に1人にできるだけ早期に拡充

○国以外のセクターの創造的研究開発能力の向上

☆私立大学の研究基盤及び機能の強化への支援
☆公設試験研究機関の研究開発・技術支援機能の強化に対する支援
☆民間が行う創造的な研究開発に対する支援

各セクター間,地域間,国際間の連携・交流システム

○産学官の人的交流促進のための国の諸制度・運用の改善

☆民間との共同研究を積極的に促進するための規程等の見直しや休職制度活用
☆国の研究者が民間で研究・指導等を行うための兼業許可の円滑化

○国等の研究成果の民間における活用の促進

☆共同・受託研究の相手先民間機関への特許権の優先実施権の付与
☆国研研究者への特許権個人帰属のため,8年度から職務発明規程改正

○地域における連携・交流の促進

☆地域の科学技術関連施設,公設試験研究機関への支援の拡充

〇国際交流の促進

☆国際的な研究拠点の整備,メガサイエンスを含む国際共同研究の推進
☆国研の外国人研究者受入れを全体として1研究室当たり1人に
☆国研・大学の研究者の海外派遣を拡充
☆日本学術振興会外国人特別研究員(420人)を1050人規模に拡充
☆STAフェローシップ(340人)を1000人規模に拡充

○分布型メガサイエンスの推進

厳正な評価の実施

○研究機関,課題,研究者について評価の在り方を抜本的に見直し,適切な評価の仕組みを整備し,厳正な評価を実施
○大綱的指針を策定

◎望ましい研究開発基盤を実現

〇大学,国立試験研究機関における研究施設・設備の計画的な改善

☆国立大学の施設

・老朽化・狭隘化改善が見込まれる1200万m2 について,調査検討を行いつつ,計画的整備を推進
・新たなニーズに対応した学術研究環境の整備も推進

☆国立試験研究機関の施設

・老朽化対策が見込まれる80万m2 について,調査検討を行いつつ,計画的整備を推進

☆購入後10年を経過した設備を順次更新
☆私立大学の施設整備支援の推進,研究装置・設備補助の拡充

○情報通信基盤の整備

☆平成12年度までに国の全研究者に情報通信機能付きコンピュータを配備
☆研究機関間の情報ネットワークを米国並みに高速化

○計量標準等の充実,研究材料の円滑な供給等の研究開発に係る知的基盤の整備

◎科学技術に関する学習を振興,幅広い国民的合意を形成

○探求活動・実践活動を重視した理科教育・技術教育の充実,青少年を対象とした各種体験事業など普及啓発活動の強化
○科学技術の振興に関する国民的合意の形成

◎政府の研究開発投資の拡充

○政府研究開発投資を,21世紀初頭に対GDP比率で欧米主要国並みに引き上げるとの考え方の下,その倍増の実現が強く求められており,この場合,平成8年度から12年度までの科学技術関係経費の総額の規模を約17兆円とすることが必要
〇一方,活力ある21世紀の社会経済を築いていくためには,財政を健全化させることが緊急課題
○以上の観点を踏まえ,本計画に掲げる施策の実現に必要な経費を拡充。
○その際,競争的資金をはじめとする多元的な研究資金や,研究者等の養成・確保及び研究者交流に必要な経費,研究開発基盤の整備に必要な経費を重点的に拡充

前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ