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第2部  海外及び我が国の科学技術活動の状況
第2章  研究人材
第3節  研究人材の輩出と雇用


(学位取得者数の動向)

我が国の学位(修士,博士)取得者数は,大学院の学生数の規模拡充により,近年増加している。平成2年度に比べ5年後の平成7年度には修士1.69倍(年平均の伸び率11.1%),博士1.24倍(年平均の伸び率4.5%)となっている。( 第2-2-21図 )。保健分野で特に博士号取得者が6,782人と多いが,その過半数(3,896人)が論文博士によって占められている。なお,その他専門分野の博士号取得者数に占める論文博士の割合は,理学27.0%,工学39.8%,農学47.0%となっている。

修士及び博士の学位は,国の文化,学位制度により様相も異なり,またその取得者数も産業構造,学齢人口,高学歴化等種々の社会的要因により推移し,一律の比較はできないが,ここでは主要国における自然科学系の修士,博士等の学位取得者数の特色を見てみる。

米国の学位取得者数は他の主要国を引き離して多く,我が国の3倍強であり,1980年度(昭和55年度)との比較では工学系の割合が増加した。我が国は米国に次いで学位取得者数が多く,工学系の比率が高いのが特色となっている。続いて,イギリス,ドイツ,フランスの順となっており,イギリス及びドイツは理学系の比率が高く,また,ドイツ及びフランスは医・歯・薬・保健系の比率が高いことが特色となっている( 第2-2-22図 )。また,博士号だけに限ってみると,理学分野での日本の学位取得者数は,主要各国と比較するとかなり少ない。全学生数に占める大学院学生数の割合を主要国と比較すると,我が国はもつとも低い( 第2-2-23図 )。

第2-2-21図 我が国の学位取得者の推移(自然科学系)

第2-2-22図 主要国の学位取得者数(自然科学系)

第2-2-23図 主要国における学部・大学院に在籍する全学生数に占める大学院学生数の割合

(研究人材の雇用)

学位取得者の推移及び国際比較により,我が国の研究人材輩出の量的側面を示したが,一方で,大学で教育を受けた研究人材が円滑に産業界,政府・民営研究機関等に移行することが必要である。

ここでは,大学卒業時,修士課程終了時,及び博士課程終了時の自然科学系出身者の進路から,我が国の研究人材の雇用状況について見てみる。大学卒業段階では,理学専攻者の進学率が33.6%で他の専攻者と比べて高い。修士課程終了段階では,急激に工学専攻者の進学率が下がり(8.6%),大半(87.1%)が就職するという傾向が見られる。博士課程修了段階では,理学及び農学は,博士号取得後の進路が確定していない割合が高い(約4割)という傾向が現れている( 第2-2-24図 )。

いくつかの産業について自然科学分野出身者の専門別採用状況の特徴をみてみると,電気機械器具,輸送用機械器具といったほとんど工学専攻者によって占められている製造業がある一方で,化学工業のように理学,工学,農学,保健分野から幅広く採用する製造業もある。また,電気機械器具製造業,をはじめとして,製造業における修士課程修了者の採用割合が高いのに対し,博士課程修了者の採用割合は低い( 第2-2-25図 )。

第2-2-24図 大学の学位別進路動向(平成10年3月)


第2-2-25図 主要産業における専門別・学位別採用状況(平成10年3月)


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