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第2部  海外及び我が国の科学技術活動の状況
第1章  研究費
第2節  研究費の負担及び使用


(研究費の負担割合及び使用割合)

研究費は,負担及び使用についてそれぞれ組織別に見ることができる。経済協力開発機構(OECD)は,政府 注3) ,産業界,大学,民営研究機関,外国別に統計上組織分類しており,これ12より主要国における研究費の負担割合及び使用割合を見てみる。

研究費の政府による負担割合を概観すれば,人文・社会科学も含め,フランスが最も大きく,我が国は主要国の中で最も低い値となっているが,これは,国防研究費の割合が著しく低いこと,民間活力が旺盛であること等が影響しているものと考えられる( 第2-1-4図(1) )。また,民間負担が多くを占めているため,景気の変動を受けやすいという特徴がある( 第2-1-5図 )。

政府負担割合の推移を見ると,各国とも冷戦構造解消後の国防研究費の低下,民間における研究開発の意欲の高まり等から,従来は漸減傾向にあったが,近年は,政府の研究開発投資の拡充を反映し,我が国とドイツ 注4) で上昇傾向がみられる( 第2-1-6図 )。

第2-1-4図 主要国における研究費の組織別負担割合及び使用割合

第2-1-5図 研究費総額の伸び率と国内総生産(GDP)成長率の推移

第2-1-6図 主要国における研究費の政府負担割合の推移


また,政府負担額の対国内総生産比では,フランス,ドイツ,米国,日本,イギリスの順となっており,我が国は上昇傾向にある。一方,他の主要国は,いずれも減少しており,特に米国の減少が大きい( 第2-1-7図 )。

なお,各国政府の科学技術関係予算の最新動向は, 付属資料「3.主要先進諸国の科学技術政策の動向」 に示している。

使用割合では,各主要国とも産業界が約3分の2を占め,研究開発の実施においては各国とも民間企業が大きな役割を果たしている。フランスは,政府研究機関の使用割合がその他の主要国に比べて大きな比率となっている( 第2-1-4図(2) )。

第2-1-7図 主要国における政府負担研究費の対国内総生産(GDP)比の推移

(組織別研究費)

主要国の組織別実質研究費の推移を見ると,各国とも研究費の伸びに産業界が大きく寄与していることが分かる。( 第2-1-8図 )。

第2-1-8図 主要国の組織別実質研究費の推移

我が国の実質研究費の対前年度増加率に対する組織別寄与度の推移を見ると,会社等の研究費は,平成3年度まではおおむねプラスの高い寄与度を示したが,景気後退の影響を受け,平成4年度から3年連続でマイナスの寄与となったが,平成7年度から再びプラスの寄与に転じ,3年連続で増加している( 第2-1-9図 )。

第2-1-9図 我が国における実質研究費(使用額)の対前年度増加率に 対する組織別寄与度の推移

(研究費の流れ)

我が国の研究費の流れを見ると,政府の資金は,大学へ約49%,政府研究機関へ約40%,民間へ約11%となっており,民間へ流れている資金が少ない。また,民間の資金は,民間へ約99%,大学へ約0.6%,政府研究機関へ約0.2%となっており,ほとんどが民間自体で使用している。

こうした負担源と使用組織間における研究費の流れを国際的に比較すれば,我が国は他の国に比べて全体として各部門間での研究費のフローが少なく,米国及びフランスは民間の使用する政府資金の比率が大きく,イギリスは外国負担の研究費が多いことが特徴となっている( 第2-1-10図 )。

第2-1-10図 主要国における研究費の流れ

我が国において政府から民間へ,民間から大学へ研究費の流れの少ない点については,諸外国に比べて研究開発を民間活力に委ねるところが大きいこと,また,米国,フランス等で,政府から民間への流れが大きい点については,航空宇宙研究費,国防研究費を通じた部門間の流れが多いこと等の要因を指摘できる。また,イギリスで外国からの研究費の流れが大きい理由は,イギリスへ研究開発拠点を設置している外国資本の企業の自国からの研究費の送金によるものと考えられる。


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