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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章  総合的かつ計画的な施策の展開
第7節  科学技術に関する学習の振興及び理解の増進と関心の喚起
2.  科学技術に親しむ多様な機会の提供


 21世紀に向かい,豊かで活力ある社会を築いていくためには,人々が生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ,その成果が適切に評価される「生涯学習社会」の構築をめざしていくことが重要であるとされている。特に科学技術については,その急速な進展・高度化に伴い,人々が絶えず新しい知識・技術を習得することが必要になっており,学習機会の増大を図ることが重要である。

 このため,文部省では,平成9年度から新たに,科学系博物館の機能の充実と有効利用の促進を図るため,博物館と学校,関係機関等が連携協力して,多様な事業をモデル的に実施し,その成果を全国に普及する事業を行っている。また,従来より,学芸員等博物館職員の資質向上を図るため,自然科学系博物館等に勤務する学芸員等を対象として専門研修を実施するとともに,博物館や少年自然の家等がもつ専門的機能や立地条件等を活用した,青少年に対する科学教室等の特別事業の研究開発を進めている。さらに,大学等における科学技術に関する公開講座の拡充や,テレビ・ラジオを活用して科学技術に関する授業を開講している放送大学の全国化の推進を図るとともに,青少年や一般社会人を対象として最新の研究動向等を普及啓もうするために開催するシンポジウムや学術講演会の開催の助成を行った。

(普及啓発)

 科学技術の振興を図るにあたっては,国民一般の理解と協力を得るとともに,時代を担う青少年に科学技術,その歴史的積み重ね及び社会的役割の重要性の認識を支援し,科学する心をかん養していくことが重要である。

 このため,科学技術庁では,平成9年度において,テレビ・ラジオ番組の企画,制作及び放送,映画CMの企画,制作及び配布,定期刊行物の発行,各種セミナーの開催等普及啓発活動を実施した。特に38回目を迎えた「科学技術週間」,34回目を迎えた「原子力の日」の科学技術関係記念期間には,関係機関の協力を得て各種行事を全国的規模で実施した。このほか,政府広報を通じて,テレビ・ラジオ番組,週刊誌等を活用した広報を行った。

 文部省では,平成9年度において,青少年をはじめとして,社会の各方面に対して理工系分野の魅力を積極的に情報発信していくために,大学・高等専門学校において体験入学事業を実施した。また,科学技術展等各種事業の主催者等の依頼に応じ,青少年等を対象として,講演・実験等を行う講師等の協力者を「サイエンスボランティア」として登録するための名簿の作成及び提供を行った。

 国立科学博物館においては,青少年や家族等を対象に科学教室や野外観察会を行うなど,科学技術等についての理解を深める教育普及活動を行っている。また,青少年の科学的素養を育成するため,実物標本を用いた展示に重点を置いた新しい参加体験型・探求型展示施設である「たんけん館(仮称)」の整備を平成5年度から7年計画で実施している。

 農林水産省においては,つくばリサーチギャラリーを設置して,農林水産技術の最新の成果等を展示し,普及啓発に努めるとともに,森林総合研究所に多摩森林科学園を設置して森林科学についての展示を行っている。また,バイオテクノロジーの定着を図る上で不可欠な国民の理解の醸成のため,農林水産省では,農林水産・食品分野のバイオテクノロジー及び遺伝子組換え農作物についての解説パンフレットを作成するとともに,平成7年度からバイオテクノロジーPA対策事業を開始しており,平成9年度には,東京都において一般市民を対象としたフォーラムを開催したほか,つくば及び地域(四国,北陸)の農業試験場において体験研修等を実施した。

 通商産業省においては,若者の産業技術に対する関心の低下や理工系離れに対処するため,平成5年度から,産業技術を評価し,保存して,次代を担う若者に継承していくための活動として,産業技術のイノベーションに係る実態調査等を行うなど,産業技術の継承活動を展開している。また,この一環として,平成9年8月に産・学・官の初めての連携事業として開催された「産業技術歴史展テクノフェスタ21」を支持した。

 科学技術の振興を図るためには,これらの普及啓発活動に加え,発明の奨励,科学技術に関する功労者の表彰などを通じて研究開発意欲の高揚を図ることが効果的である。

 このため,科学技術庁では,自主技術開発の萌芽となる優れた発明を「注目発明」として選定し,公表することにより,研究開発の優れた成果を一般に広く周知させるとともに研究者の意欲の向上を図っている。平成9年度は,「第56回注目発明」として98件の発明を選定し,公表した。

 また,科学技術庁では,我が国の科学技術に関し最近顕著な功績を上げた者を科学技術功労者として表彰(平成9年度31名)するほか,優れた研究成果を上げた研究者を研究功績者として(同年度35名),優れた創意工夫によって各職域における科学技術の考案,改良等に貢献した勤労者を創意工夫功労者として(同年度850名),小中学生の創意工夫の育成に顕著な成果を上げた学校を創意工夫育成功労学校として(同年度36校),科学技術に関して優れた振興上の業績を上げた者を科学技術振興功績者として(同年度39名),また,原子力の安全確保,核物質管理に関し優れた成果を上げた者をそれぞれ原子力安全功労者,核物質管理功労者として(同年度22名,3名),放射線の安全確保に関し優れた成果を上げた者を放射線安全管理功労者として(同年度17名,3事業所)表彰している。


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