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第1部   変革の時代において
第2章  科学技術で何ができるか-変革の時代と科学技術の役割-
第2節  国民の科学技術に対する見方
2.  社会が受け入れやすい科学技術


 これまで見てきたように,国民は科学技術のプラス面を評価し期待しつつも,一方で科学技術のマイナス面に対し不安を感じている。

 科学技術はその応用を通じて,時として,当初の予想を超えて,社会にマイナス面の影響を及ぼしてきた。こうしたことが国民の科学技術に対する不安やさめた見方にも結びついている。

 地球環境問題について見れば,例えば,人体への影響が少なく化学的にも安定なフロンは,冷蔵庫等の冷媒として,また,エレクトロニクス産業などでの洗浄剤として広く用いられたが,一方でオゾン層破壊を引き起こし,また,現在では地球温暖化をもたらす温室効果ガスの一種としても取り上げられている。

 我が国の民間企業,大学,国立試験研究機関等の先端科学技術研究者に対して平成9年度に科学技術庁が行った調査(以下「先端科学技術研究者調査」という。)によると,科学技術の発達が社会にどのような影響を与えているかとの質問に対し,「個人生活の楽しみ」,「物の豊かさ」については「向上した」とする者が8〜9割であったのに対し,「地球環境の保全」については「悪化した」とする者が約64%に上り,「向上した」とする者は約10%に留まった( 第1-2-21図 )。これは,研究者自身も地球環境問題の発生に科学技術の発達が影響したと認識していることを示している。

第1-2-21図 研究者の意識 科学技術の発達の社会への影響

 しかし一方で,この地球環境問題の解決に果たす科学技術の役割も大きい。総理府の「科学技術と社会に関する世論調査」では,今後科学技術が貢献すべき分野として,「地球環境や自然環境の保全」が第1位に上げられており,国民の多くも科学技術による地球環境問題の解決に期待している( 第1-2-22図 )。

第1-2-22図 国民の意識 科学技術が貢献すべき分野

 新世紀に向けて科学技術の役割が増大している一方で,国民は科学技術に対して期待と不安が混在した見方をしている中,今後の科学技術は,我が国社会や人類社会にとってより受け入れられやすいものとなっていくことが求められる。


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