ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第1部   変革の時代において
第2章  科学技術で何ができるか-変革の時代と科学技術の役割-
第2節  国民の科学技術に対する見方
1.  科学技術に対する国民の期待と不安


(期待と不安の混在)

 総理府の「科学技術と社会に関する世論調査」(平成7年2月調査)によれば,科学技術に関する種々の意見についてどう思うか聞いたところ,「科学的研究は,たとえすぐに役立たなくても,新たな知識をもたらすという意味で不可欠である」という意見に対しては約81%の者が肯定しており,また「日本が国際的な競争力を高めるためには,科学技術を発達させる必要がある」という意見についても約73%の者が肯定している。「科学技術が発達すると,我々の生活はより健康で快適なものになる」という意見については,過半数の約52%の者が肯定しているものの,約31%の者が否定しており,国民の意見は分かれている( 第1-2-16図 )。

第1-2-16図 国民の意見 科学技術に関する意見

 一方,科学技術庁科学技術政策研究所の「生活関連科学技術課題に関する意識調査(中間報告)」(平成7年3月)によれば,「科学技術の発達は人々を幸せにする」という意見に対しては,約42%が肯定しているものの,どちらともいえないとしている者が約48%に上っており,否定も約10%ある。また,「科学技術の発達に良い面と悪い面のどちらが多いか」との質問に対しては,約49%が良い面が多いとしているものの,良い面と悪い面は同じくらいであるとする者が約48%に達している( 第1-2-17図 )。

第1-2-17図 国民の意見 科学技術の発達に対する意見

 総理府の「科学技術と社会に関する世論調査」では,科学技術の発達に伴う不安について調査しているが,それによると,「科学技術の進歩が速すぎるため,自分がそれについていけなくなるという不安」,「科学技術がどんどん細分化し,専門家でなければわからなくなっていくという不安」など,国民は科学技術に対して種々の不安を抱いている様子が示されている( 第1-2-18図 )。

第1-2-18図 国民の意見 科学技術の発達に伴う不安

 これらのことから,国民は,科学技術の発達に対し評価し期待も持っているが,一方で不安も抱いており,期待と不安が混在した見方をしていることが見てとれる。

(若者の科学技術に対する見方)

 文部省国立教育研究所の「異なる学校段階での理数の学習と関心・態度の質的変容に関する継続調査研究」(平成9年3月)及び「理数調査報告書」(平成9年3月)により,小学5年生,高校3年生及び高校卒業後6年経過した者の科学に対する価値観を見てみると,生活の豊かさ,日常生活上の問題解決,国の発展に対する科学の役割を肯定的に捉えている者は小学5年生では6〜7割であるのに対し,高校3年生では3〜5割と大きく減少し,年次が上がるほど肯定的な見方が少なくなっている。また,高校卒業後6年経過者については,生活の豊かさや国の発展に対する役割を肯定する者の割合は高校3年生に比べると高い割合に戻っているが,日常生活上の問題解決に対する役割を肯定的に捉えている者は依然として高校3年生とほぼ同じ割合となっている( 第1-2-19図 )。

第1-2-19図 児童・生徒等の意見 科学に対する価値観

 一方で,このように小学5年生では科学の役割を肯定する児童が多いものの,「科学の発明は,世の中をあまりにも複雑にしてきた」,「科学のために世界がだんだん破壊される」,「科学的発見はよいことより害を多くもたらす」,「世の中の困った問題の多くは,科学技術が原因となっている」という考えも4〜6割が肯定し,否定する児童を上回っている。高校卒業後6年経過者では,これらの考えを肯定する者は大きく減少するものの2〜4割の者は肯定しており,肯定が否定を上回る項目もある( 第1-2-20図 )。

第1-2-20図 児童等の意見 科学技術の功罪

 これらのことから,若者は,科学技術に対して役割を肯定し期待を抱いてはいるものの,一方で不安を抱きさめた見方をしている者も多いことがうかがえる。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ