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第1部   変革の時代において
第1章  求められるもの-変革に向けて対応が求められる内外の諸課題-
第1節  閉塞状況の打破と生活者の要請への対応
2.  生活者の関心やニーズへの的確な対応


 我が国では,今後高齢化が一層進展すると見込まれ,また,個人の価値観も多様化の方向に向かっている。このような中で,21世紀において豊かで活力ある社会を実現していくためには,これまで見てきた諸課題に加え,生活者の関心やニーズに的確に対応し,これにより個々人が安心して,安全に,また個人の価値観が尊重される潤いのある暮らしができるような社会を作りあげていくことが重要な課題となっている。

(活力ある高齢化社会)

 総理府が行った「国民生活に関する世論調査」(平成9年5月調査)によれば,国民の多くは,物質的な豊かさについては満足しており,これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きを置きたいとしている( 第1-1-6図 )。また,今後政府に対して力をいれてほしいと思うことについては,「医療・福祉・年金の充実」,「高齢者・障害者介護など福祉の充実」などが高い回答割合となっている( 第1-1-7図 )。これらから,多くの国民は,高齢化が進む中で,ゆとりある,かつ健康で安心して生活できる社会を強く望んでいることが見てとれる。

第1-1-6図 国民の生活に関する意識

第1-1-7図 国民生活に関する政府への要望

 先に見たとおり,少子高齢化の進行に伴い,高齢者の潜在力の発掘と活用が重要となるが,これは,単に労働力不足への対応という観点のみならず,これからの高齢化社会においては,高齢者が生き生きと活躍できることが社会全体の活力につながるという観点からも重要である。この点から,高齢者の健康の維持や高齢者の身体的能力の補助などの面においても,取組の強化が求められる。

(安全で安心な日常生活)

 我が国はこれまで数々の災害など安全に関わる問題に遭遇し,これらの経験も踏まえ各種の安全対策を講じてきているが,豊かで安全・安心な日常生活を実現するためには,更に一層の安全対策や危機管理対策を講じていくことが求められる。

 経済企画庁の「平成8年度国民生活選好度調査」では,人々の生活に関する60の項目についてそれらの重要度を調査しているが,安全や安心に関する事項である「食品や薬品など商品の安全性が高いこと」,「地震,台風,火災などへの対策がしっかりしている」がそれぞれ1位,2位となっている。これらの事項は3年前の調査に比べ順位が上がっており,安全や安心確保に対する国民の関心は確実に高まっている( 第1-1-8表 )。

第1-1-8表 国民が重要と考える生活関連項目:(上位10項目)

(快適で健康な日常生活)

 社会の成熟化が進み,価値観も多様化する中で,国民は,心の豊かさやゆとりのある生活を重視するようになってきている。こうした心の豊かさやゆとりある生活にとり,健康の維持・増進は欠くことのできないものである。

 経済企画庁の「国民生活選好度調査」では,調査した60項目を10の領域に分類し重要度の調査を行っているが,それによると,「医療と保健」の領域が重要であるとする回答が最も多く,健康の維持・増進,病気の予防などに対する国民の要望が高いことを示しており,この面での取組の強化が求められている( 第1-1-9図 )。

第1-1-9図 国民が個人生活にとって重要と考える領域

(生活環境の保全・改善・整備)

 日常生活や生産活動の結果生ずる廃棄物の処理・処分やその発生量の縮減の問題,大気汚染等の環境問題,資源リサイクルの促進など生活環境の保全・改善・整備に係る課題は,安心,快適,健康な日常生活をおくるための基礎となるものであり,積極的な取組が求められる。例えば廃棄物焼却施設等から排出されるダイオキシン類は毒性が強く,人体,環境への影響が大きな問題となっており,排出抑制など様々な対策を講じていくことが必要である。

 経済企画庁の「国民生活選好度調査」によれば,「ゴミや下水が衛生的に処理されること」や「大気汚染,騒音,悪臭などの公害がないこと」が重要であるとした者は9割を超えており,生活環境の保全・改善・整備に対する国民の関心が高いことを示している( 第1-1-10図 )。また,総理府の「生活環境,生活型公害に関する世論調査」(平成8年6月調査)によれば,10年後の生活環境が現在と比べて悪くなるとした者は,約50%となっており( 第1-1-11図 ),今後,生活環境の保全・改善・整備に対する取組を一層強化していくことが求められている。

第1-1-10図 今後の生活においての重要度

第1-1-11図 現在と比べた10年後の生活環境についての認識


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