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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章  総合的かつ計画的な施策の展開
第4節  民間の研究開発の促進と国等の研究開発の成果の活用
1.  民間の研究開発の促進


 民間研究開発は,我が国研究開発投資の約8割を占めており,その果たす役割は大きい。民間の研究活動の円滑な推進を図り,研究開発水準の向上を図るため,研究活動を促進する種々の施策が講じられている。

 民間部門における研究開発投資は,平成3年度までは順調に伸びていたものの,平成4年度は,統計をとりはじめて以来初の減少に転じた。その後,平成7年度には4年ぶりに増加したものの,平成3年度水準には及ばない状況である。こうした動きに配慮しつつ,増加試験研究費の税額控除制度,基盤技術研究開発促進税制等税制上の特例措置,実用化促進のための委託開発制度,信用保証制度等の活用により,民間の研究開発活動のより一層の活性化のための環境条件の整備を進めている。


(1) 税制による民間研究活動の振興

 科学技術振興のための主な税制上の措置としては,増加試験研究費等の税額控除制度があり,民間における自由な創意工夫に基づく研究活動の展開に大きな役割を果たしている。このうち,増加試験研究費の税額控除制度は,昭和42年度に創設されたもので,民間企業の各事業年度の試験研究費が過去の最高額を超えて増加した場合は,その増加部分の20%の税額控除を認めるものである。なお,平成7年4月に施行された「特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法」第15条の認定を受けた場合,平成5年度以降の試験研究費の最高額を超えた額の10%税額控除制度との選択適用が可能となった。さらに,これらの制度に加えて,基盤技術開発研究用資産の取得価額の5%の税額控除を認める基盤技術研究開発促進税制及び増加試験研究費の税額控除制度との選択で中小企業者等の各事業年度の試験研究費の6%の税額控除を認める中小企業技術基盤強化税制(いずれも昭和60年度に導入),国立試験研究機関との共同研究費の6%税額控除を認める共同試験研究促進税制(平成5年度創設)や,契約又は協定に基づき研究員を大学等に派遣して行う大学等と民間企業等との共同研究のうち,民間企業等が支出した試験研究費の6%の税額控除を認める共同試験研究促進税制(平成7年度創設)等が措置されている。なお,これらの制度に関連して,地方税においても法人住民税法人税割において基盤技術研究開発促進税制及び中小企業技術基盤強化税制に係る特例措置を創設している。主な科学技術振興関係税制を 第3-2-6表 に示す。

第3-2-6表 主な科学技術振興関係税制




(2) 出融資等による民間研究活動の振興

 民間研究活動を促進するため,様々な政府系機関により,技術開発に対する財政投融資制度が講じられている。以下,主なものを紹介する。

(基盤技術研究促進センター)

 基盤技術研究促進センターは,民間において行われる鉱業,工業,電気通信業,放送業に係る基盤技術に関する試験研究を促進することを目的として,昭和60年10月に設立され,産業投資特別会計からの出融資,日本開発銀行及び民間からの出資等を資金として,出資,条件付無利子融資,共同研究のあっせん等の事業を行っている。平成8年度の産業投資特別会計の出融資額は,260億円である。

(生物系特定産業技術研究推進機構)

 生物系特定産業技術研究推進機構は,民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究を促進することを目的として,昭和61年10月に設立され,産業投資特別会計からの出融資及び民間からの出資等を資金として,条件付無利子融資,出資,共同研究のあっせん等の事業を行っている。平成8年度の産業投資特別会計の出融資額は,35億円である。

(医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構)

 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構は,民間において行われる医薬品技術等に関する試験研究を促進することを目的として,昭和62年10月に業務を開始し,産業投資特別会計からの出融資及び民間からの出資等を資金として,条件付無利子融資,出資,共同研究のあっせん等の事業を行っている。平成8年度の産業投資特別会計の出融資額は,10億円である。

(その他の融資制度)

 我が国技術水準の向上のため,日本開発銀行の新技術開発融資制度により,企業の行う新技術に係る技術開発資金の低利かつ円滑な資金の融通を行っており,平成8年度には事業革新法の承認計画に基づく技術開発及び大学との連携による技術開発に対し,低利優遇措置を創設するとともに,1,030億円の内数を融資枠として確保した。また,中小企業金融公庫等においても,新事業育成貸付制度を活用し,中小企業の技術力向上及び新技術の企業化等の促進を図っている。


(3) 補助金等による民間研究活動の振興

 民間の事業化へ向けた研究開発を支援するため,研究開発活動に対する補助金制度が講じられている。以下,主なものを紹介する。

(希少疾病用医薬品等の助成金交付事業)

 我が国で極めて患者数が少ない疾病の治療薬等の研究開発を支援するために,当該医薬品等の試験研究に係る費用の助成を行っている。

(農林水産業・食品産業等バイオテクノロジー先端技術開発事業)

 農林水産・食品分野におけるバイオテクノロジー等の先端技術開発の促進を図るため,民間が行う共同研究に対して研究開発費の助成を行っている。

(中小企業技術改善費補助金)

 中小企業の技術開発,技術力向上等の観点から,中小企業の行う技術改善のための費用に対する補助を行っている。

(エネルギー関係技術実用化開発費補助金)

 民間のエネルギー使用合理化,新発電,石油代替エネルギー関係技術の実用化を促進するため,実用化開発費用の補助を行っている。

(先端技術型研究開発助成金)

 将来的にニュービジネスの創出に結びつくような通信・放送技術に関連する先進的な研究開発を行うベンチャー企業等に通信・放送機構を通じ研究開発費の助成を行っている。


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