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第1部   開かれた研究社会の創造をめざして
第5章  一層開かれた研究社会の創造に向けて
第1節  開かれた研究社会と評価
(4)  「研究開発資源の配分への反映」等評価結果の適切な活用


 評価結果を十分に活用し,研究開発の一層の活性化等を図る必要がある。このため,画一的・短期的な視点にばかりとらわれぬよう留意しつつ,評価結果を研究資金等の研究開発資源の重点的・効率的配分,研究開発計画の見直し等に適切に反映することが必要である。このことは,柔軟かつ競争的で開かれた,より創造的な研究環境の醸成に寄与し,活力にあふれた研究開発を推進することにもつながるものである。

 なお,大学等における研究に係る評価の実施に当たっては,上記の基本的考え方を踏まえつつ,研究者の自主性の尊重など学問の自由の保障,研究と教育との間の有機的関係とバランスの重要性,多様な萌芽的研究が評価を通じて選択され,重点配分の対象に成長していくという研究発展の体系など,その特性に十分配慮することが必要である。

 また,各省庁においても研究評価の充実が進められているところである。例えば,科学技術庁においては,平成6年度より,所管の国立試験研究機関の一部において,国内の有識者を中心とした外部専門家により,研究所の運営方針等を含めた研究開発機関の評価等を実施してきているところである。さらに,平成9年度からは,海外の有識者を招へいして,研究開発機関の評価及び研究開発課題の評価を行うこととしている。農林水産省においては,外部有識者を評価者として加えた「研究レビュー制度」により,所管の国立試験研究機関の評価を実施しているところであり,平成9年度からは,外部有識者の参画を一層充実させることとしている。また,プロジェクト研究の評価をはじめとする研究課題の評価についても,外部有識者を評価者として加えた評価を実施している。通商産業省においても,平成7年度より,所管の国立試験研究機関について,年3機関ずつ,外部専門家による研究所の運営方針,マネジメントなどの評価・提言を行っているところであり,さらに,平成9年度からは海外有識者の参画を得て評価を行うとともに,プロジェクト研究の評価についても,従来からの外部専門家・有識者による評価に加え,平成9年度からは評価を専門に行う部署を新設する等,体制の充実を図ることとしている。また,理化学研究所においては,昭和57年度より,毎年度4〜5の研究室又は研究グループ単位を対象として外部専門家による研究評価を行う研究業績レビュー制度を実施している。さらに,文部省においては,大学等の学術研究における研究評価を一層充実したものとするために,現在,学術審議会の学術研究体制特別委員会で学術研究における評価の在り方について審議が進められているところである。

(研究者から見た研究評価)

 「先端科学技術研究者調査」によると,現在どのような体制で評価されているかについては,「所属部署の研究管理者のみによる評価」が約32%,「内部の組織による評価」が約25%,「外部の専門家の組織による評価」が約18%であり,「特にない」が約27%であった。

 所属機関別にみると,国立試験研究機関等では「外部の専門家の組織による評価」が約40%と比較的高く,民間企業では「所属部署の研究管理者のみによる評価」が約62%,大学では「特にない」が約46%とそれぞれ高かった。これは,研究の性格とも関連していると考えられ,純粋基礎研究やシーズ探索型基礎研究では,「外部の専門家の組織による評価」と「特にない」がともに多く,開発研究では,「所属部署の研究管理者のみによる評価」が多かった( 第1-5-1図 )。

第1-5-1図 研究成果はどのような体制で評価されているか

 また,研究者個人の研究成果を評価する基準はどのようなものが望ましいかについては,「独創性や重要性等の研究内容」が約76%,「著名な学術誌への論文掲載数や被引用回数」が約65%,「製品化・事業化の成功」が約35%,「社会へのインパクトの大きさや評判」が約34%であった。所属機関別にみると,大学や国立試験研究機関等では「著名な学会誌への論文掲載数や被引用回数」が多く,民間企業では「製品化・企業化の成功」が多くなっている。このように,研究者は客観的な指標だけでなく,研究の内容を十分吟味して評価されることを望んでおり,このような点も配慮して研究評価を進めていくことが重要である( 第1-5-2図 )。

第1-5-2図 望ましい研究評価の基準

 研究評価は,研究開発の目的,性格,規模,期間等に応じて様々な形態で行われるが,国費が投入される研究開発については,今後定められる大綱的指針に沿って,積極的に実施していかなければならない。そして,このような評価を行うことによって,研究開発活動を活性化し,優れた成果をあげていく必要がある。


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