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第1部   開かれた研究社会の創造をめざして
第2章  これまでの取組と研究者や民間の意識
第2節  研究者や民間企業はこう考える
4.  科学技術基本計画への期待など


 科学技術基本計画では,これまで取り上げた取組に加え競争的資金の拡充や研究開発機関における情報通信基盤の整備といった開かれた研究社会へ向けての取組,研究開発基盤の整備,科学技術に関する学習の振興と幅広い国民的合意の形成など今後の科学技術活動に向けた施策が述べられている。第2章の締めくくりにあたり,研究者や民間企業のこれら施策への期待を概観する。

(研究者の期待)

 「先端科学技術研究者調査」において研究者に科学技術基本計画への期待を調査した結果は 第1-2-30図 のようになるが,各施策への研究者の期待は大きくは3パターンに分けることが出来る。

第1-2-30図 科学技術基本計画への期待度

 まず,国研等,大学,民間企業の3セクターの研究者すべての期待が同程度の項目としては,「理科教育・技術教育の充実,国民が科学技術に親しむ機会の増加により国民の(科学技術の)理解を深める」(約45%の研究者が選択),「競争的研究資金の拡充」(約45%),「国の研究者の兼業許可の円滑化」(約40%),「評価システムの確立」(約3割),「国立試験研究研究機関の研究者に任期付任用制度を導入」(約3割)などが挙げられる。これに対し,大学,あるいは大学と国研等の研究者の間で期待が非常に高いものの民間企業の研究者の期待がさほど高くない項目としては,「老朽化した国研,大学の計画的改善」,「研究支援者の確保」,「2000年度までにポストドクター1万人を支援」が挙げられる。逆に「民間企業の研究開発を支援するための税額控除制度の活用等」については民間企業の研究者の期待は非常に高いが,国研等や大学の研究者の期待はさほどは高くない。

 この結果から,柔軟かつ競争的でより開かれた研究社会を構築する取組や,後述する( 第4章 参照)研究社会を国民に開くための取組に,我が国の研究者の期待が特に大きいということができる。

(民間企業の期待)

 一方,民間企業の科学技術基本計画への期待としては,7割の回答企業が選択した「民間が行う研究開発活動への支援」が特に大きい他は,「政府の研究開発投資の拡充」(27%の企業が選択),「大学,国立試験研究機関の施設設備の改善」(同25%),「地域の科学技術関連施設等への支援の拡充」(同21%),「国の研究者の兼業許可の円滑化」(同19%),「競争的研究資金の拡充」(同18%)が大きい。

 しかし,「科学技術に関する学習の振興,国民的合意の形成」については,民間企業の研究者の間で期待が高かった項目でありながら,企業としての期待が比較的低く(約9%の企業が回答)なっている( 第1-2-31図 )。

第1-2-31図 科学技術基本計画についての重要度

 民間の研究開発については,官民の役割分担を踏まえ,民間の自助努力を基本とすべきものと考えられるが,「民間が行う研究開発への支援」についての民間企業の期待の具体的内容としては,「研究開発に対する税制面での優遇策の充実」(49%の企業が選択),「企業が利用できる研究開発施設等の政府による整備等」(同43%),「企業の行う研究開発に対する補助金の充実」(同42%)が高く,民間企業は自身が主導する研究開発への支援をより望んでいることが示唆される( 第1-2-32図 )。

第1-2-32図 「民間が行う研究開発活動への支援」について,国の施策に対する期待

 さらに,科学技術基本計画で示されている研究開発推進の基本的方向に関連して,国における科学技術活動の取組に対する期待を調査したところ,「新産業の創出につながる基礎的,先導的研究の積極的推進」,「地球環境,人口,食料等地球規模の問題解決のための研究開発への積極的取組」,「宇宙開発,エネルギー研究開発等長期的視点を要し開発リスクの大きい研究開発への積極的取組」,「生活・社会の充実のための研究開発への積極的取組」への期待が大きい。国における社会・経済のニーズに対応した研究開発の推進が求められていることが示されている( 第1-2-33図 )。

第1-2-33図 国における科学技術活動の取組に対する期待


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