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第1部   開かれた研究社会の創造をめざして
第2章  これまでの取組と研究者や民間の意識
第1節  開かれた研究社会へ向けての取組
2.  研究者の創造性をはぐくむための取組


 経済力と科学技術力の向上に伴い,我が国の科学技術においては独創的な科学技術の推進が重要な課題となっている。このため,研究交流の推進とともに,研究者の創造性を伸ばすための取組や優れた科学技術系人材を育てるための取組が進められている。ともに優れた研究者により多くの研究機会や選択肢を与えることをめざしているという点で,研究者に研究社会を開く取組として欠かせないものである。

(研究者の創造性を伸ばすための取組)

 研究者の創造性を伸ばす取組の例としては,科学技術振興事業団による独創的個人研究育成事業(さきがけ研究21)が挙げられる。本制度は,新しい科学の芽を産み出すことが期待される領域について国内の研究者を募り,独創性を持つ研究者を選び,自由に研究開発を行わせようというものである。また,我が国の研究開発水準が主要先進諸国と比べて立ち遅れている基礎研究分野を強化するため,特殊法人等において公募方式等により基礎研究を実施する制度が実施されている。本制度は基礎研究分野の競争を促進し,優れた研究開発を育てようというもので,平成7年度より科学技術庁が実施しているが,平成8年度には文部省,厚生省,農林水産省,通商産業省及び郵政省も開始している。さらに平成9年度には運輸省も加え,合計7省庁に拡大する予定である。

(優れた科学技術系人材を育てるための取組)

 独創的な科学技術の推進には,これまで述べたような研究者の創造性を伸ばすための各種の取組とともに,これら制度を十分に活用してより優れた成果を産み出せるような人材を厚く育成することも必須である。とりわけ,大学院博士課程を修了したポストドクターをはじめとする創造性が高い若手研究者に研究の機会を与え,若手研究者がその研究経験をキャリアとして,引き続き創造的研究活動を展開できるようにすることが重要である。このため,関係省庁では各種の特別研究員制度による支援や研究者の活用を通じ,若手研究者の「武者修行」の場の拡充に努めるとともに研究者間での競争を促して研究開発の活性化を図っている( 第1-2-2図 )。

第1-2-2図 主な省庁における特別研究員制度等の採用者数の推移

 また,女性研究者の活躍の場の拡大も科学技術系の人材育成の課題の一つである。「科学技術系人材の確保に関する基本指針」(平成6年12月内閣総理大臣決定)では,男女の雇用機会の均等を確保する観点とともに,人々のニーズにきめ細やかに対応した科学技術活動を展開する観点からも女性の活躍の場を拡大し,その能力を活かしていくことが必要とされている。総務庁の調査によれば,我が国の自然科学系の女性研究者の数は近年男性研究者数の伸びを上回って増加してきており,平成8年には約4万3千人,全体の7.3%を占めるに至っている。しかしながら,我が国の就業者全体に占める女性の割合(39.6%)や専門的・技術的職業従事者に占める女性の割合(43.2%)と比較しても自然科学系の女性研究者の割合はまだ低い水準にとどまっている( 第1-2-3図 )。

第1-2-3図 女性研究者数の推移(自然科学のみ)


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