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第3部  科学技術の振興に関して講じた施策
第6章  科学技術国際交流
  二国間における協力



(1) 欧米諸国との協力

先進国との協力活動は,二国間の科学技術協力協定等に基づき天然資源開発,エネルギー開発,原子力,宇宙開発,海洋開発,バイオテクノロジー,環境保全等先進国共通の問題の解決を図るため活発に展開されている。

米国との間では,1988年(昭和63年)6月に締結された日米科学技術協力協定(1993年(平成5年)6月に延長)の下で,これまでに閣僚レベルを議長とする合同高級委員会が5回,高級委員会の準備会合として位置付けられる合同実務級委員会が7回,科学技術分野における両国の有識者からなる合同高級諮問協議会が6回開催されたほかが開催されるなど,さまざまなレベルで活発な意見交換が行われている。

,研究開発のアクセス及び科学技術情報のアクセスに関し,それぞれ検討を行う小委員会 1995年(平成7年)には,60名の米国の大学院生を,我が国の国立試験研究機関等へ6月から8月にかけて約2カ月間受け入れる第6回サマーインスティテュートプログラムが米国国立科学財団(NSF),米国国立衛生研究所(NIH),国際交流基金及び日米科学技術協力協定に基づく研究開発のアクセスに関する小委員会(TFA)により実施された。

また,日米エネルギー等研究開発協力協定(1979年(昭和54年)5月締結,1990年(平成2年)2月改定)の下では,核融合,高エネルギー物理などの分野での協力が行われている。1995年(平成7年)2月には本協定を更に5年間延長することとした。

宇宙分野の日米協力は,1969年(昭和44年)7月に締結された宇宙開発協力取極に基づき協力が行われてきた他,1979年(昭和54年)7月の宇宙開発委員会及び米国航空宇宙局(NASA)の間の合意に基づき設置された常設幹部連絡会議の下で協力が進められている。

また,1964年(昭和39年)に始まった「天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)」の下での協力活動が30年以上続けられており,18分野において各専門部会毎の活発な活動が行われている。

このほか,日米原子力協力協定,「科学協力に関する日米委員会(日米科学協力委員会)」等を通じ,科学技術分野で広範な協力が進められている。

また,1993年(平成5年)7月の日米首脳会談において設立された「日米包括経済協議」の枠組みでは,マクロ経済分野,政府調達,自動車などのセクター別・構造分野のほか,テクノロジー,環境,人口・エイズなどの日米双方が先頭となって世界をリードしていくべき地球的規模の課題についても協議が行われている。この「地球的展望に立った協力のための共通課題(コモン・アジェンダ)」の枠組みからは,民需産業技術協力に関する実施取決めの締結,地球観測情報ネットワークの推進・海洋等の環境保護・地震等の自然災害防止などの科学技術に関する具体的成果が上がってきている。また,セクター別・構造分野での協議では日米間での科学技術分野における人及び情報の流通の拡大を図るため「技術アクセス」問題が取り上げられている。

フランスとの間では,1974年(昭和49年)に締結された日仏科学技術協力協定の下での協力が進められてきたが,両国の最近の科学技術の発展にともない,1991年(平成3年)6月,新日仏科学技術協力協定が締結された。この新協定のもとで,閣僚レベルによるハイレベル代表者会合,有識者に上る合同諮問委員会,実務者による合同委員会が開催されている。1996年(平成8年)1月に第2回日仏科学技術合同委員会がパリで開催された。

カナダとの間においては,日加科学技術協議が1972年(昭和47年)に開始され,1986年(昭和61年)5月には両国間の科学技術協力を一層強化するため,日加科学技術協力協定が締結された。1989年(平成元年)4月には,宇宙分野における協力について意見交換,情報交換を行う場として日加宇宙パネルが設置された。また,日加科学技術協力のあり方についての日加共同研究報告書が両国の有識者により取りまとめられ(1989年(平成元年)7月),これに基づき両国は研究者同士が直接意見交換を行うワークショップを開催するなど,協力関係が進展している。

また,1991年(平成3年)5月に日加両首相の合意に基づいて発足した「日加フォーラム2000」(日加両国の有識者による賢人会議)の報告書が1992年(平成4年)12月に日加両首脳へ提出されたが,その中で北太平洋における環境問題に対して両国が協力を進めるべきであるとの勧告がなされた。1994年(平成6年)3月には,バンクーバーにおいて,本分野での日加の有識者が出席してシンポジウムが開催されたほか,1995年(平成7年)2月にはオタワにて開催された日加科学技術協力協定に基づく合同委員会において同協定の下に,「北太平洋における地球科学及び環境パネル」が設置され,両国の間で意見交換,情報交換を行うこととしている。

ドイツとの間においては,1974年(昭和49年)10月に旧西ドイツとの間で締結された日独科学技術協力協定に基づいて,原子力エネルギー,ライフサイエンス,海洋科学技術等の分野で協力が行われてきだが,1990年(平成2年)10月の東西ドイツの統合により,同協定がドイツ全領域に適用されることとなった。また日独両首脳の合意により1994年(平成6年)12月には,ハイテクと環境技術分野における両国の産業界,学界の協力強化を目的に「ハイテク及び環境技術に関する日独協力評議会」が発足し,1995年(平成7年)7月には第2回会合が開催され,当該分野における今後の協力の可能性について検討している。

イギリスとの間においては,これまで,3回の日英科学技術協力会合を開催していたが,1994年(平成6年)6月両国の科学技術協力を一層強化するため,日英科学技術協力協定が締結された。1995年(平成7年)12月には東京で第1回日英科学技術合同委員会が開催され,両国の科学技術政策等幅広い意見交換が行われた。

その他先進諸国との間においては,イタリアとの間で締結されている科学技術協力協定に基づき,様々な分野において協力が行われているほか,日・フィンランド科学技術協力会合,日・スイス科学技術協力会合及びスウェーデン,ノルウェー等との貿易経済協議においても実務者レベルで協力に関する話し合いが行われている。

また,日・EU間では,従来日・EU閣僚会議及び日・EUハイレベル協議においても科学技術協力が取り上げられてきており,両者の科学技術協力を促進することを目的として1994年(平成6年)6月に第1回日・EU科学技術フォーラムを開催した。


(2) アジア太平洋諸国等との協力

韓国との間においては,1985年(昭和60年)12月に締結された日韓科学技術協力協定に基づき,海洋科学,資源,エネルギー等の分野で協力を行っている。1994年(平成6年)3月の日韓首脳会談の結果を受け,二国間経済分野における協力関係等について包括的に議論を行う,日韓新経済パートナーシップ協議がこれまでに3回開催され,この中でも科学技術協力について話し合われている。

中国との間においては,1980年(昭和55年)5月に締結された日中科学技術協力協定に基づき,情報交換,専門家の交流,共同研究の実施等により,科学技術協力を推進することを目的とし,日中科学技術協力委員会を設置し,協力を進めている。また,科学技術庁と中国国家科学技術委員会との間では双方の協力につき次官級の協議が行われてきているほか,日中農業科学技術交流グループによる交流が行われている。このほかオーストラリア,インドネシア,インド及びブラジルとの間においても科学技術協力協定に基づき,様々な分野において,協力が行われているほか,新たに,1994年(平成6年)12月にはイスラエルとも科学技術協力協定が締結され,1995年(平成7年)8月に発効した。また,アジア太平洋地域との協力としては,アジア太平洋経済協力(APEC)やアジア科学協力連合(ASCA)の下でも多国間協力が進められている。


(3) 旧ソ連,中・東欧諸国との協力

旧ソ連との協力については,1973年(昭和48年)10月に締結された日ソ科学技術協力協定に基づき,これまで7回の日ソ科学技術協力委員会と3回の日ロ科学技術協力委員会が開催されており,従来より地球科学,農林業等の分野で情報の交換,専門家の派遣,セミナーの開催等の協力が行われてきた。なお,近年特に,プラズマ物理学及び核融合,高エネルギー物理学・加速器科学,宇宙,放射線医学,環境保全の分野で共同実験,セミナー,シンポジウムが行われている。

(1991年(平成3年)末にソ連邦は解体したが,ロシアはソ連邦と継続性を有する同一の国家であることから,日ソ科学技術協力協定等はロシアとの間で引き続き有効である。)

1995年(平成7年)7月に開催された第3回日ロ科学技術協力委員会においては,前回の第2回日ロ科学技術協力委員会で合意された分野の協力の継続・拡充に合意するとともに,両国で生じた大規模な地震を受けて,特に地震分野の研究を重視し,専門家の会合を開催し,両国における地震協力の可能性につき意見交換を行った。

中・東欧諸国との間においてはポーランド及び旧ユーゴスラビアとの間には科学技術協力協定が,ルーマニア,ブルガリア,旧チェコスロバキア及びハンガリーとの間には科学技術協力取極が締結されており,また,研究者の交流等の協力が行われている(旧ユーゴスラビアは構成共和国の独立に伴い,現在,クロアチア及びスロベニアが同協定を承継している。また,旧チェコスロバキアは,チェコとスロバキアの2カ国に分離しており,両国とも同取極を承継している。)。

1996年(平成8年)1月にハンガリーと第3回日・ハ科学技術協力政府間協議が開催され,日・ハ科学技術協力取極の下での協カテーマ及び両国の科学技術政策について意見交換を行った。

1995年(平成7年)11月にポーランドと第1回日・ポーランド科学技術協力協議が開催され,日・ポ科学技術協力協定の下での協カテーマ及び両国の科学技術政策について意見交換を行った。


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