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第3部   我が国の科学技術政策の展開
第4章  研究活動の推進
第3節  科学技術振興基盤の強化
3.  機器・設備,資材,遺伝子資源等の整備,充実


1990年1月に内閣総理大臣決定された「科学技術振興基盤の整備に関する基本指針」において,研究用資材,遺伝子資源等の供給体制の充実,大学,国立試験研究機関等における機器・設備の陳腐化・老朽化対応,世界的に最先端の機器・設備の開発と中核的研究機能の整備,外部開放のための条件整備等を図るとされ,各省庁がそれぞれ所要の対策を推進している。

生物糸特有の研究資材及び遺伝子資源については,理科学研究がライフサイエンス研究に必要な動植物の培養細胞・遺伝子の収集・保存・供給を行うジーンバンク事業,実験生物情報システムの開発,実験動物の開発,微生物の系統保存・分譲事業を行っている。

文部省においては,大学における研究支援体制の整備の一環として,動物実験施設の整備等を行っている。

厚生省においては,対がん10カ年総合戦略の一環としてがん研究に必要なヒト及び動物由来の培養細胞・遺伝子の収集・保存・供給を行うリサーチ・リソースバンク事業等を行っている。

農林水産省においては,植物,動物,微生物,林木,水産生物等の農林水産生物全般について遺伝資源の収集,保存を行い,生物遺伝資源及びその情報を提供する農林水産省ジーンバンク事業を進めているほか,1994年度からゲノム研究等遺伝子レベルの研究成果であるDNA及びDNA情報を収集,蓄積,提供するDNAバンク事業を開始した。

通商産業省においては,特許微生物寄託センターにおいて特許に係る微生物の寄託,分譲等の業務を行っているほか,動植物細胞の保存技術の研究を行っている。

また,機器・設備の整備については,その施策の一つとして,科学技術庁が世界最大規模の大型放射光施設(SPring-8)整備計画を推進しており,日本原子力研究所及び理化学研究所が共同してその実施に当たっている。大型放射光施設は,光速近くまで加速された電子が,磁場により曲げられた時に発生する光(放射光)を利用し,物質・材料系科学技術 ライフサイエンス,情報・電子系科学技術等幅広い分野で最先端の研究を行うための施設であり,欧米においても,同様の大型放射光施設の建設計画が進められている。SPring- 8は,基礎的・創造的研究開発を推進するうえでの重要な研究開発基盤施設の一つであり,我が国の基礎研究の振興のみならず,国際的な研究交流の一層の推進に貢献することが期待されており,1997年度に一部供用を開始すべく,引き続き研究開発や機器の製作を行うとともに,兵庫県の播磨科学公園都市において施設の建設を行っている。本施設は,放射光利用研究のCOEの一つとすることを目標に,国内外の研究者に広く開かれた施設として,最大限活用することが重要である。このため,第129回国会において「特定放射光施設の共用の促進に関する法律」を制定し,当該施設に係る利用課題の募集・選定や技術的支援等,利用者との関係を一元的に扱う指定法人制度を導入するなど,利用者本位の考え方を原則とした体制整備を行い,その共用の促進を図ることとした。なお,文部省においては,加速器科学分野の中心機関の一つである高エネルギー物理学研究所が,世界に先駆けて未踏領域の研究を進めるため,トリスタン入射蓄積リングを用いた大強度放射光実験設備による研究を行っている。

さらに通商産業省においては,産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律に基づき,今後我が国が進めていくべき高度な研究開発に必要な施設ではあるが,民間のみでは整備が困難な研究施設の整備を図る研究基盤整備事業を行っている。これは,新エネルギー・産業技術総合開発機構が出資した第3セクターにより施設の建設及び運営を行い,広く内外の研究者の共用に供することとしている。


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