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第2部   我が国の科学技術活動の状況
第4章  研究成果関連の動向
1.  技術貿易


特許,実用新案,技術上のノウハウは,科学技術に関する研究開発活動等を通して生まれる成果である。企業等はこれらの成果を自ら利用する以外に,権利譲渡,実施許諾等という形で国際的に取引している。このような取引は技術貿易と呼ばれる。

(主要国の技術貿易動向)

主要国の技術貿易の輸出入額をみると,企業活動のグローバリゼーションの進展や知的所有権を重視する近年の傾向を反映して拡大基調にあるが,1993年に入り横ばいないしはわずかな減少傾向を示しはじめている( 第2-4-1図 )。

技術輸出額(対価受取額)では米国の204億ドル(1993年,2兆2,700億円)が圧倒的に多く,日本銀行「国際収支統計月報」(以下本章では「日銀統計」という。)による日本の39億ドル(1993年,4,311億円),総務庁統計局「科学技術研究調査報告」(以下本章では「総務庁統計」という。)による日本の30億ドル(1992年度,3,777億円),イギリスの23億ドル(1991年,3,089億円),フランスの18億ドル(1992年,2,248億円),及びドイツ 8) )の16億ドル(1993年,1,735億円)を断然引き離している。


注)8.第4章におけるドイツに関する1989年以前のデータは原則として旧西ドイツの値である。

第2-4-1図 主要国の技術貿易額の推移


これに対して,技術輸入額(対価支払額)では,日銀統計による日本72億ドル(1993年,7,981億円),米国47億ドル(1993年,5,280億円),総務庁統計による日本33億ドル(1992年,4,139億円),ドイツ30億ドル(1993年,3,382億円),フランス26億ドル(1992年,3,315億円),イギリス23億ドル(1991年,3,041億円)となっている。

この結果,主要国の中では米国が大きく出超となっており,1993年の技術貿易収支は157億ドル(1兆7,420億円),技術貿易収支比(輸出/輸入)は4.30となっている。イギリスは1991年の収支比が1.02であり,僅かに輸出超過となっている。フランスは輸入超過であり,1992年の値は0.68となっている。ドイツも輸入超過であり,1993年の技術貿易収支比は0.51となっている。我が国については,1992年度の総務庁統計では入超額は362億円,技術貿易収支比は0.91であり,前年よりもわずかに入超となっている。一方日銀統計による技術貿易収支比は均衡に近づく傾向にはあるものの,1993年の収支は入超額3,670億円,収支比0.54と依然として輸入超過となっている( 第2-4-2図 )。

主要国間の技術貿易収支比をみると,米国が各国に対して圧倒的に輸出超過となっている。日本はイギリスに対してのみ出超となっている( 第2-4-3表 )。

第2-4-2図 主要国の技術貿易収支比の推移

第2-4-3表 主要国の相手国別技術貿易収支比

(我が国の国(地域)別技術貿易動向)

総務庁統計によると,我が国と主要国との技術貿易収支比は,年によってばらつきはあるものの長期的には増加傾向を続けてきたが,近年横ばいないしはわずかな減少傾向を示しはじめている( 第2-4-4図 )。

1992年度の我が国の技術貿易を地域別,国別にみると,技術輸出額ではアジア(西アジアを除く)が1,664億円で全輸出額の44%を占めている。そのうち主要な相手国は韓国394億円,中国382億円(うち台湾217億円),タイ245億円,シンガポール240億円,マレーシア167億円,インドネシア131億円となっている。米国は単独の相手国としては最も多く1,119億円と全輸出額の30%を占めている。技術輸入額については,北アメリカとヨーロッパが圧倒的に多い。特に米国からの輸入が,1992年度には2,922億円(対前年度比6.9%増)と全輸入額の70%を占めている。以下輸入の多い相手国は,ドイッ(234億円),オランダ(224億円),フランス(209億円),イギリス(166億円),スイス(166億円)となっている( 第2-4-5図 )。

第2-4-4図 我が国と主要国との技術貿易収支比の推移

第2-4-5図 我が国の地域別技術貿易額(1992年度)

(我が国の技術貿易動向)

先に述べたとおり,日銀統計による1993年の我が国の技術貿易額は,輸出が4,311億円,対前年比27.O%増(ドルベース比較),輸入が゛7,981億円,対前年比0.17%減(同)で技術貿易収支比は前年の0.42から0.54になっている。総務庁統計による1992年度の技術貿易額は,輸出が3,777億円,対前年度比8.4%増(同),輸入が4,139億円,対前年度比11.6%増(同)で,技術貿易収支比は前年度の0.94から0.91となっている。

総務庁統計の新規分(当該年度に新たに結んだ契約による技術貿易)のみの収支をみると,1992年度は367億円の輸入超過となっている。1980年代前半までは新規技術輸出額のほうが新規技術輸入額を上回って推移してきたが,80年代後半以降は入超となる年度もあり,1992年度については新規分技術貿易収支比が0.61の入超となっている( 第2-4-6図 )。

第2-4-6図 我が国の新規分技術貿易収支比の推移

1992年度の製造業の業種別技術貿易額を総務庁統計でみると,輸出については輸送用機械工業の1,265億円,電気機械工業の1,067億円,化学工業の571億円,機械工業の218億円が多く,これらの業種で製造業全体の83%を占めている。以下窯業の162億円,鉄鋼業の88億円と続いている。一方技術輸入については,電気機械工業の1,789億円が最も多く,以下化学工業の707億円,輸送用機械工業の534億円,機械工業の279億円,精密機械工業の221億円と続いている( 第2-4-7図 )。

技術輸出額が技術輸入額よりも多い主要な産業,業種は,輸送用機械工業(出超額731億円),窯業(出超額83億円),鉄鋼業(出超額53億円),建設業(出超額20億円)である( 第2-4-8図 )。輸送用機械工業の出超は自動車工業によるもので,我が国の自動車産業の技術力が依然として高いことを示している。

収支比の推移をみると,輸送用機械工業は1987年度に初めて出超に転じたことがわかる。建設業,鉄鋼業は1970年代後半から輸出が輸入を上回っている。電気機械工業の収支比は80年代後半までは緩やかに均衡へと近づいてきたが,最近は0.7前後の値で推移している。化学工業も近年,収支がほぼ均衡しており,1992年度の値は0.81となっている( 第2-4-9図 )。

第2-4-7図 我が国の産業別技術貿易額の推移

第2-4-8図 技術貿易額の業種別収支(輸出-輸入)1992年度

第2-4-9図 我が国の主要業種の技術貿易収支比の推移

科学技術庁科学技術政策研究所の分析によると,1992年度の我が国の新規技術導入件数は3,224件であり,前年度と比べ49件(1.5%)の増加となった。これら技術導入の内容は製造業関係が全体の98.5%(3,176件)を占めているが,その内訳は電気機械器具が2,132件(全体の66.1%),一般機械器具が239件,化学製品が216件,衣服・繊維製品164件と続いている。10年前,5年前と比較すると,電気機械器具は10年前,5年前の件数のそれぞれ3.4倍,1.7倍となっているが,他はすべて化学製品(5年前に比べ6件増)を除き減少しており,技術導入が電気機械器具に集中してきていることがわかる。導入件数の相手国は米国が2,094件と最も多く全体の65.O%を占めている。以下イギリスの220件,フランスの184件,ドイツの157件となっている。主な先端技術分野での導入状況をみると,電子計算機関連が1,724件と他の先端技術分野に比べ圧倒的に多いが,その内訳はハードウエア88件,ソフトウエア1,623件,サービス13件となっており,ソフトウエアの占める割合が最も多い( 第2-4-10図 )。

第2-4-10図 我が国の先端技術分野の導入動向


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