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第1部   いま,世界の中で
第1章  転換期の世界における科学技術政策
第5節  むすび


戦後の世界を規定してきた東西の冷戦が終結した。

これまで世界の安定から経済的な繁栄を享受し,世界経済で大きな地位を占めるに至った我が国は,この転換期の世界のなかで,どのように科学技術に取り組んでいくかが問われている。

国際的な面では,世界各国との協調を基調とした科学技術面でのより-層の努力が求められており,先進国間における科学技術政策の国際的調和,先進国,開発途上国等との国際協力,地球規模の諸問題に対する科学技術面での取り組みに,従来以上に積極的に対応していくことが求められる。

また,先進諸国では,成長著しいアジア諸国をはじめとした開発途上国の追い上げ等を踏まえ,経済成長,競争力確保,雇用創出が共通の大きな政策課題となっている。このような状況のなかで,我が国を初めとした先進諸国には,基礎研究の成果をも踏まえた技術革新を進め,独創的な新しい技術に基づく新産業の創成を継続的に行っていくことが求められるが,そもそも,新たな産業を創出し,雇用を確保していくためには,企業家精神の発揮とともに,基礎研究から応用開発にわたる,幅広く,総合的な厚みのある,持続的な科学技術力が必要とされる。

先進主要国政府は,冷戦の終結を踏まえ,国防研究開発予算の伸びを抑制しつつも,科学技術が果たす役割の重要性を認識し,科学技術への投資を拡大している。また,高い水準を誇る基礎研究を引き続き重視するとともに,基礎研究の成果を応用,開発,企業化へと結び付ける能力の強化に積極的に取り組んでいる。

他方,我が国の科学技術活動は,民間の活発な活動に支えられてきている面が大きく,その科学技術政策は,応用,開発と比較して弱い基礎研究の強化をその大きな柱としてきている。

転換期の世界における海外の科学技術政策動向を踏まえ,また,我が国の民間企業の研究開発投資が低迷するなか,基礎研究の水準が依然として十分なものとはいえない我が国の現状を踏まえ,国は,未来に対する投資として,基礎研究の強化と科学技術系人材の確保により一層努力することが必要である。


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