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第1部   いま,世界の中で
第1章  転換期の世界における科学技術政策
第4節  転換期における我が国の科学技術政策
3.  独創性ある人材の確保


基礎研究の実施,独創的な技術の開発,さらには独創的な新しい技術に基づく新産業の創生のためには,独創性に富んだ優れた科学技術系人材が必要であり,科学技術会議における検討を踏まえた科学技術系人材の確保のための施策の強化が重要である。

このような科学技術系人材の確保にあたっては,まず,若者の科学技術離れの傾向への対処が必須である。昨年の科学技術白書においては若者の科学技術離れの傾向を分析し,科学技術がより身近に感じられる社会を目指して,

1) 科学者,技術者に触れる機会の拡大
2) 科学技術に目が向けられるようにする工夫
3) 女性の科学技術活動への参加促進
4) 科学技術について身近な問題として語り合える雰囲気の醸成

の重要性を指摘したが,これを踏まえた努力が求められる。′また,この関連で,将来の科学技術を支える人材となる少年,少女に,夢を与えることも極めて重要であり,日本人宇宙飛行士である毛利衛氏の1992年9月の宇宙実験や,向井千秋氏が参加した1994年7月のプロジェクトが我が国の青少年に与えた影響は大きなものがあると考えられる。

また,科学技術系人材のなかでもその中核となる研究者について,創造的な研究者の確保のためには,若手研究者に対する多様な研究機会の提供,流動化の促進,自由で競争的な研究環境づくり,創造的な研究の適切な評価,処遇の改善の重要性が指摘されており,この方向に沿った努力が求められる。さらに,我が国が国際社会の中で大きな地位を占めるに至った状況を考えると,国際的な活躍のできる優れた研究者を組織的に育成していくことも重要である。

しかしながら,若者は社会の中で成長していくものである。その社会が独創性を重視し,独創性を示した者を正当に評価し,適切に遇するようになっていなければ,若者の独創性は育つとはいえないであろう。今後我が国が世界の中で安定した成長を遂げ,生活の質の向上を求めるとき,独創性ある人材が不可欠と考えられる。そうであるならば,独創性ある人材が正当に評価され,社会で活躍できる仕組みをいかにして構築するかに関して,社会全体として真剣に考えるべき時に来ているのではないであろうか。


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