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第3部   我が国の科学技術政策の展開
第4章  研究活動の推進
第4節  科学技術国際交流
1.  二国間における協力


(1)欧米諸国との協力

先進国との協力活動は,二国間の科学技術協力協定等に基づき天然資源開発,エネルギー開発,原子力,宇宙開発,海洋開発,バイオテクノロジー,環境保全等先進国共通の問題の解決を図るため活発に展開されている。

米国との間では,1988年6月に締結された日米科学技術協力協定(有効期間5年間)の下で,これまでに閣僚レベルを議長とする合同高級委員会が4回,高級委員会の準備会合として位置付けられる合同実務級委員会が5回,科学技術分野における両国の有識者からなる合同高級諮問協議会が4回開催されたほか,研究開発のアクセス及び科学技術情報のアクセスに関し,それぞれ検討を行う小委員会が開催されるなど,さまざまなレベルで活発な意見交換が行われている。1993年5月には,クリントン政権が発足して以来初めての合同高級委員会が米国で開催された。クリントン政権は,科学技術を自国の産業競争力を確保するための重要な手段と位置付けており,本委員会の場でも,両国の科学技術政策,両国の科学技術協力活動,地球環境問題等について幅広くかつ活発に検討が行われた。また,等のビッグサイエンスにおける国際協力を進めるにあたっては,参加国間の信頼関係に十分留意することが必要との点で認識が一致した。さらに,1993年6月に有効期間の満了を迎えた本協定の延長問題については,本協定の枠組みが両国の科学技術協力の推進へ貢献したことを満足の意をもって評価し,協定をさらに5年間延長することとなった。

また,1993年には,60名の米国の大学院生を,我が国の国立試験研究機関等へ6月から8月にかけて約2カ月間受け入れる第4回サマーインスティテュートプログラムが米国国立科学財団(NSF),米国国立衛生研究所(NIH),国際交流基金日米センター及び日米科学技術協力協定に基づく研究開発のアクセスに関する小委員会(TFA)により実施された。

また,日米エネルギー等研究開発協力協定が,主に日米科学技術協力協定との整合を図るとの観点から1990年2月に改定された。

宇宙分野の日米協力は,1969年7月に締結された宇宙開発協力取極に基づき協力が行われてきた他,1979年7月の宇宙開発委員会及び米国航空宇宙局(NASA)の間の合意に基づき設置された常設幹部連絡会議の下で協力が進められている。

このほか,「天然資源の開発利用に関する日米会議」(UJNR),日米原子力協力協定,「科学協力に関する日米委員会」(日米科学協力委員会)等を通じ,科学技術分野で広範な協力が進められている。

また1993年4月の日米首脳会談において,日米構造協議に代わって新たに構造問題や分野別の経済問題,テクノロジー,環境等の分野における積極的協力等について協議する新しい枠組みとして,「日米包括経済協議」を設置することとなった。

フランスとの間では,1974年に締結された日仏科学技術協力協定の下での協力が進められてきたが,両国の最近の科学技術の発展にともない,1991年6月,新日仏科学技術協力協定が締結された。この新協定のもとで,閣僚レベルによるハイレベル代表者会合,有識者による合同諮問委員会,実務者による合同委員会が開催されている。このうち1993年6月の第1回合同委員会では,本協定下での協カテーマが合意されるとともに,両国の科学技術政策等について意見交換がおこなわれた。

カナダとの間においては,日加科学技術協議が,1972年に開始され,1986年5月には両国間の科学技術協力を一層強化するため,日加科学技術協力協定が締結された。また,日加科学技術協力のあり方についての日加共同研究報告書が両国の有識者によりとりまとめられ(1989年7月),これに基づき両国は研究者同士が直接意見交換を行うワークショップを開催するなど,協力関係が進展している。

また,1991年5月に日加両首相の合意にもとづいて発足した「日加フォーラム2000」の報告書が1992年12月に提出され,北太平洋における環境問題に対して科学技術協力を推進していくところである。

ドイツとの間においては,1974年10月に旧西ドイツとの間で締結された日独科学技術協力協定に基づいて,原子力エネルギー ライフサイエンス,海洋科学技術等の分野で協力が行われてきたが,1990年10月の東西ドイツの統合により,同協定がドイツ全領域に適用されることとなったことが確認され,今後はドイツ全体との協力の進展が期待される。

その他先進諸国との間においては,イタリアとの間で締結されている科学技術協力協定に基づき,様々な分野において協力が行われているほか,日英科学技術協力事務レベル会合,日・フィンランド科学技術協力会合及びスウェーデン,ノルウェー等との貿易経済協議においても実務者レベルで協力に関する話し合いが行われている。

また,日・EC間では,従来日・EC閣僚会議及び日・ECハイレベル協議においても科学技術協力が取り上げられてきているが,両者の科学技術協力を促進することを目的とした日・EC科学技術協力会合の開催に向け,現在その準備を進めている。

(2)アジア太平洋諸国等との協力

韓国との間においては,1985年12月に締結された日韓科学技術協力協定に基づき,海洋科学,資源及びエネルギー,保健及び環境等の分野で協力を行っている。

中国との間においては,1980年5月に締結された日中科学技術協力協定に基づき,情報交換,専門家の交流,共同研究の実施等により,科学技術協力を推進することを目的とし,日中科学技術協力委員会を設置し,協力を進めている。

この他オーストラリア,インドネシア,インド及びブラジルとの間においても科学技術協力協定に基づき,様々な分野において,協力が行われている他,アジア太平洋地域との協力としては,アジア科学協力連合(ASCA)の下でも多国間協力とともに各国との二国間協力が進められている。

(3)中・東欧諸国,ロシアとの協力

旧ソ連との協力については,1973年10月に締結された日ソ科学技術協力協定に基づき,これまで7回の日ソ科学技術協力委員会が開催され,1993年2月には第1回の日ロ科学技術協力委員会が開催されており,原子力,農業等の分野で情報の交換,専門家の派遣,セミナーの開催等の協力が行われているほか,日ソ研究者交換取極に基づいて,研究者の交流が行われてきた。1991年末にソ連邦は解体したが,ロシアはソ連邦と継続性を有する同一の国家であることから,日ソ科学技術協力協定等はロシアとの間で引き続き有効である。

1993年2月に開催された第1回日ロ科学技術協力委員会においては,前回の第7回日ソ科学技術協力委員会で合意された分野の協力の継続・拡充に合意するとともに,新たに高エネルギー物理学・加速器科学,通信技術,エネルギー研究開発の3分野で協力を開始することが合意された。

中・東欧諸国との間においてはポーランド及び旧ユーゴスラビアとの間には科学技術協力協定が,ルーマニア,ブルガリア,旧チェコスロバキア及びハンガリーとの間には科学技術協力取極が締結されており,また,研究者の交流等の協力が行われている。(旧ユーゴスラビアは現在,国家としてほぼ解体しており,クロアチア及びスロベニアを除く旧ユーゴスラビアとの協力は停止している。また,旧チェコスロバキアは,チェコとスロバキアの2ケ国に分離しており,取極の扱いについて協議中である。)


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