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第1部   若者と科学技術
第3章  科学技術がより身近に感じられる社会を目指して
第4節  科学技術について身近な問題として語り合える雰囲気の醸成


我が国の,さらには地球社会のより良い未来をめざして,科学技術を一層発展させていくためにも,また,高度な科学技術を駆使する社会を健全に運営していくためにも,社会を構成する国民が基礎的な素養として科学技術に対する正しい理解を持つことは,極めて重要である。このような視点から,国民全体,特に若者の「科学技術に対する能動的関心」の動向については,今後も注視していく必要がある。

ここで,我々自身が自覚する必要があると考えられることは,若者が科学技術に対して抱く意識は,社会全体が科学技術に対して抱く意識を反映したものであろうということである。科学技術が発展し,その成果が日常生活に誰でもが簡単に使えるような形で普及・浸透してきた結果,生活の中で科学技術が“見え”にくいものとなったことに加えて,社会全体の雰囲気も若者にとって科学技術が“見え”にくいものとなる傾向を助長しているとすれば,これは見過ごせない問題である。

我が国は,国際的には地球の有限性という制約の中で地球環境問題などの危機に直面し,国内的にも質的に豊かな国民生活を実現していく上で人口構成の高齢化等への対処を迫られている。これらの難問を乗り越えて我が国が平和と豊かさを確保し続けていく上で,科学技術の発展に期待するところは極めて大きい。このような認識を我々自身が新たにし,日常生活の中においても,日頃から考え,次の世代を担う若者に語りかけていくように心掛けない限り,当面の生活に大きな不満を感じていない若者の目に科学技術が“見え”てくることは難しいであろう。

若者は,科学技術が身近に感じられ,社会全体に科学技術に対する熱い期待があると感じてこそ,「科学技術に対する能動的関心」を持つようになるのではないだろうか。そのためには,まず,科学技術のあり方,その発展の方向等について,皆が身近な問題,自分達の問題として積極的に語り合えるような社会的雰囲気を醸成していくことが重要であり,そのような方向で努力していくことこそ,政府としてはもちろん,国民全体としての次の世代に対する責任と考えるべきであろう。


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