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第1部   若者と科学技術
第2章  若者の科学技術離れ傾向の背景
第1節  生活の中で“見え"にくくなった科学技術


子供から大人へと成長していく過程にある若者の物事をみる視点は,心の内面から出てくる好奇心や夢が中心となる子供の視点から,より現実の生活を踏まえた大人に近い視点へと移行していくとみられる。

このような若者の「科学技術に対する能動的関心」を刺激し,向上させていくためには,その前提条件として,現実の生活の中で,若者が科学技術を身近なものとして感じられるようになっていることが重要と考えられる。

しかし,近年急速に発展した科学技術は,高度なハイテク製品といった形でひと昔前には想像もできなかったような便利さをもたらした一方で,製品の内部構造,作動原理,製造プロセスといった事項に注意を向ける機会を失わせるなどの思わぬ影響をもたらしている一面がある。このため,科学技術の成果については,生活の中で,便利な道具として身近に満ち溢れるようになった観があるが,それが“科学技術”の成果であることについては,ことさら意識されなくなり,まして,その背後にある科学技術の知識,あるいは科学者,技術者の活動については,ほとんど気付かれない,意識にのぼらない状況となっている。こういったことが,若者が科学技術を身近に感じることを,科学技術の成果があまり普及していなかった頃と比べて,かえって難しくしていると考えられる。

ここでは,このような現象を,科学技術の成果については,便利な道具として認識され,日常的に利用されるようにはなったが,生活の場にいる国民の目からは,科学技術の成果である製品が持っている機能,デザイン,ブランドといった表層的な面しか見えておらず ,その背後にある科学技術の知識,あるいは科学者,技術者の活動はほとんど“見え”てこないという意味で,「科学技術のブラックボックス化」と呼ぶこととする。以下,生活の中でこのような現象を助長しているとみられるいくつかの要因を取り上げ,その影響について検討する。


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