ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第3部   我が国の科学技術政策の展開
第3章  研究活動の推進
第5節  主な研究開発制度の展開


昭和30年代から40年代にかけては,それまでの欧米先進国の科学技術の積極的な技術導入から,自主技術開発の重要性が認識されだした時代であり,また,原子力,宇宙等の巨大科学プロジェクトが多数発足した時代であった。

昭和41年度に通商産業省に発足した大型プロジェクト制度においては,国民経済上重要かつ緊要な先導的大型工業技術であって,その研究開発に多額の資金と長期間を要し,かつ,多大の危険負担を伴うために,民間の自主的な研究開発によっては遂行しえないものについて,国が所要資金を負担し,国立試験研究機関,産業界,学界等の密接な協力のもとに,計画的かつ効率的に研究開発を実施している。

その後,我が国の科学技術水準の向上等を背景に,海外に学ぶ時代から自らが道を切り開いていく時代に移りつつあるとの認識が高まり,基礎的研究の重視が強く政策面であらわれ,基礎的な段階から技術シーズを生み出す創造的研究に重点が移っていった。

科学技術振興調整費は,昭和56年度に従来の特別研究促進調整費を発展的に解消し,科学技術会議の方針に沿って既存の研究体制の枠を越えた横断的,総合的な研究開発等,科学技術の振興に必要な重要研究業務の総合的推進調整を図るための経費として創設され,平成4年度の予算額は110億円にまで充実されている。本調整費は,先端的,基礎的な研究の推進,複数機関の協力を要する研究開発の推進,産学官の有機的連携の強化,国際共同研究の推進,緊急に研究を行う必要が生じた場合の柔軟な対応,研究評価の実施と研究開発の調査・分析の6つの基本方針に沿って運用されている。平成4年度には,異分野の研究者の集中的討論による知的触発の中から革新的研究につながる発想の創出と育成を図る異分野交流研究創出制度を創設した。

また,科学技術立国を志向する我が国にとって自らの手で革新技術の源泉となる科学技術の芽(シーズ)の探索につとめることは重要であり,このような観点から,昭和56年度に,新技術事業団に創造科学技術推進制度が創設された。本制度では卓越した総括責任者に一定範囲内で研究運営に関する裁量権を与え,産学官,海外から優秀な研究者を結集し,その創造性を生かした人中心のシステムにより研究を総合的に推進している。現在17のプロジェクトが実施されており,平成4年度予算額は63億円に及んでいる。各プロジェクトの研究者数は20人前後であり,研究期間は5年間を一応の限度としている。

次世代産業基盤技術研究開発制度は,昭和56年度に通商産業省に創設され,超電導,新材料,バイオテクノロジー,新機能素子及びソフトウェアの5分野において,理論的ないし実験的に革新的な産業技術の実用化の可能性が明らかにされたテーマを選び,これについて産業技術の実用化のめどがつくまで産業界,学界,国の三者の協力により研究開発を進めることとしている。

フロンティア研究システムは,従来の研究組織体制を越えて多分野の研究者を結集し,国際的に開かれた体制により,21世紀の技術革新の根幹となるような新たな知見の積極的な発掘を目指して,昭和61年度に,理化学研究所において発足した。現在,4つの研究グループが活動しており,平成4年度予算額は23億円である。

郵政省は,昭和63年度から,研究リスクが高く,長期を要し,民間だけでは対応できないような,基礎的・先端的研究開発として電気通信フロンティア研究開発を実施している。

また,厚生省は,昭和54年度から,保健,医療,生活衛生等の各分野における研究に対して厚生科学研究費補助金制度を設けている。

このほか,建設省は,昭和47年度から,特に緊急性が高く,かつその研究開発の対象が多数の領域にわたる課題について総合技術開発プロジェクトを実施している。

運輸省は,昭和57年度から,特に重点的又は緊急に行う必要があり,かつ多数の研究領域を総合することが必要な課題について運輸技術研究開発調査を実施している。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ