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第3部   我が国の科学技術政策の展開
第3章  研究活動の推進
第4節  科学技術国際交流
2.  多国間における協力


(1)主要国首脳会議(サミット)に基づく国際協力

昭和57年6月に開催された第8回主要国首脳会議(ベルサイユ・サミット)において,ミッテラン仏大統領の提唱の下に,初めて科学技術が話題として取り上げられて以来,科学技術に関する話題は毎年のように取り上げられている。

近年,特に問題となっている地球環境問題については,先のアルシュ・サミットを契機とし,各国が地球的規模で観測とモニターを強化する等の協力が図られることとなり,さらに,平成3年7月のロンドン・サミットにおいては環境科学・技術面の協力について地球の気候に関する科学的調査,エネルギー・環境技術の開発と普及に関する一層の努力が要請された。また,原子力発電がエネルギー源の多様化及び温室効果ガスの排出削減に貢献することが指摘されるとともに,中・東欧及びソ連邦における安全性への対応策を調整するための有効な手段を策定することが要請された。

(2)国際連合における協力

国際連合においては,各種委員会,機関等を通じ,全地球的視野で解決に当たる必要がある天然資源,エネルギー,食糧,気候,環境,自然災害等に関する諸問題に対しての活動が積極的に展開されている。

特に,これらの諸問題に最も深刻に直面している開発途上国の科学技術力の強化を図ることにより,長期的展望に立って,南北問題の解決に貢献するための努力が行われている。

(3)経済協力開発機構(OECD)における協力

経済協力開発機構における科学技術に関する活動は,科学技術政策委員会(CSTP),情報・コンピュータ・通信政策委員会,工業委員会,環境委員会,原子力機関(NEA),国際エネルギー機関(IEA)等を通じて,加盟国間の意見・経験等の交換,情報及び人材の交流,統計資料等の作成,共同研究の実施等が行われている。

最近では,科学技術の経済及び社会に対する影響を包括的かつ統合的に把握することを目的に行われた「技術・経済プログラム(TEP)」の成果を盛り込んだ「技術と経済に関する政策声明」が平成3年6月のOECD閣僚理事会コミュニケに添付された。

また,平成4年3月には,「1990年代の科学技術政策―国内面と国際面の相互関係―」とのテーマのもとに科学技術大臣会合が行われた。

本会議では,1)ビッグサイエンス(巨大施設型プロジェクトと大規模地域分散型プログラム)について,今後計画の初期段階から情報交換及び議論を行う必要があるとして,そのためのフォーラムを設置すること,2)中東欧諸国における科学技術能力向上の支援,研究者等の交流の拡大,協力状況の情報交換を行うフォーラムを設置すること,及び3)TEPのフォローアップの実施とともに,科学技術,産業,貿易,競争政策の整合性をとった活動を追及することが合意された。

(4)ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)の推進

本プログラムは,生体の持つ優れた機能の解明のための基礎研究を国際協力を通じて推進しようとするものである。我が国が科学技術の分野においてその経済力にふさわしい国際貢献を図るとともに,基礎研究の推進による国際公共財を創出し,広く人類全体の利益に供するとの意向の下に,昭和62年6月のベネチア・サミットにおいて提唱したもので,我が国のイニシアティブについて国際的に高い評価を得ているプログラムである。平成元年10月には,仏国ストラスブールに実施主体として国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム推進機構(HFSPO)が設置された。

本プログラムの事業内容としては,国際共同研究チームへの研究費助成(研究グラント),若手研究者が国外で研究を行うための旅費,滞在費等の助成(長期フェローシップ,短期フェローシップ),国際的な研究集会の開催助成(ワークショップ)を公募により実施している。また,助成対象分野は,参加各国の有識者で構成される国際科学者会合における検討の結果に基づいて関係国間の合意により決定されており,脳機能の解明,生体機能の分子論的アプローチによる解明の2分野における基礎研究を対象領域としている。平成4年1月にHFSP関係国等の政府代表者により,平成4年4月から事業が本格段階として継続することについて合意が得られている。第3事業年度の助成対象者については,HFSPOより平成4年3月に27カ国278名の研究者が報告されている。


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