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第1部   科学技術の地域展開
第2章  地域と共に発展する科学技術
第6節  都道府県における科学技術の総合的取り組みと課題
1.  複数の都道府県による科学技術政策


(1)東北インテリジェント・コスモス構想

「東北インテリジェント・コスモス構想」は,東北7県(青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県及び新潟県)の産学官が一致協力して提唱している東北開発についての戦略的構想で,東北地方全体が21世紀における日本の頭脳(研究開発)と産業開発の国際的拠点となり,そこに未来型産業社会を形成することによって,人間と自然,産業と生活・文化が理想的に調和した地域社会をつくることを目標としている。

産学官で構成する推進協議会が設置され,研究機能の集積と高度化のための総合推進策の立案等にあたる科学技術会議が常置されている。

また,学術研究分野における支援組織として大学研究者等による推進組織(学術機構)が設置されており,研究シーズの発掘・結合の支援等を行っている。

さらに,各県には,県の構想を総合的に推進する産学官による推進組織が設立されている。

構想では,取り組むプロジェクトとして,4つの基本プロジェクトを掲げている。

・研究開発プロジェクト独創的科学技術開発拠点の形成とネットワーク化
・インキュベート推進プロジェクト未来型産業の開発とネットワーク化
・高度情報化プロジェクト高度情報集積拠点の形成とネットワーク化
・基盤整備プロジェクト開放的な定住・交流地域の形成とネットワーク化

既に,各県には構想に基づき(株)糖鎖工学研究所,(株)機能性ペプチド研究所等9社(平成4年3月現在)の研究開発会社が設立され,研究を実施している。また,これらの研究開発会社の設立,支援,研究開発の産業化を進める(株)インテリジェント・コスモス研究機構(ICR)が設立されている。

このほか,各県ではそれぞれ特色のある科学技術活動が行われている。

青森県では,原子力関連の施設が集積しており,原子力と環境とのかかわりを主な研究目的とする(財)環境科学技術研究所等の整備が進められているほか,再処理工場の建設計画に伴い,日本原燃(株)原燃技術開発センター(仮称)の整備が進められている。

岩手県では,(株)岩手バイオマス研究センター,(株)海洋バイオテクノロジー研究所等が先端的研究開発を行っている。また,バイオテクノロジーの基礎的研究を行う生物工学研究所(仮称)の設置が予定されている。

宮城県では,東北大学の金属材料研究所や電気通信研究所等の学術研究機関を中心に先端的,独創的研究が実施されている。また,理化学研究所が仙台市において光に関する研究を実施している。

秋田県では,新材料,資源・エネルギー等の高度技術産業を中心に秋田テクノポリスが整備されており,また,産学官共同による研究開発等を行う高度技術研究所の設置が予定されている。

山形県では,山形大学の医学部と工学部のポテンシャルを活用し,ライフサポートテクノロジー(生命・生活支援工学)に関して,大学と産業界の融合を基本とした研究開発を推進している。

福島県では,マイクロエレクトロニクス技術利用産業,新素材技術利用産業,バイオテクノロジー利用産業を中心に,郡山テクノポリスの整備が進められている。

新潟県では,高次システム産業,新素材加工産業,ファション産業等を中心として,信濃川テクノポリスの整備が進められており,大学院に重点を置いた長岡科学技術大学等が設置されている。

(2)関西文化学術研究都市

関西文化学術研究都市は,近畿圏において培われてきた豊かな文化・学術・研究の蓄積をいかし,21世紀に向けた創造的かつ,国際的,学際的,業際的な文化・学術・研究の新たな展開の拠点づくりを目指し,京都府,大阪府,奈良県の3府県にまたがる地域に建設されている。12箇所に分散配置された文化学術研究地区を,交通・情報のネットワークにより全体的に有機的に結ぶ方式で開発が進められており,建設に当たっては,産学官の各分野の協力を基調とし,民間活力を最大限に活用して進められている。これを実践する形で,官民共同出資の(株)けいはんなが設立されており,文化の発展,学術の振興,並びに研究開発に係る交流,共同研究を企画,支援するとともに,その拠点ともなるべき文化学術研究交流施設を整備中である。

都市建設にかかる調査研究や企画立案,文化学術研究施設等の立地促進等を行う組織として(財)関西文化学術研究都市推進機構,要望活動や広報活動,文化学術研究施設等の誘致活動等を行う組織として関西文化学術研究都市建設推進協議会が設立されている。

21世紀初頭までに都市が概成されるよう,次に掲げる整備を図っている。

・文化学術研究施設等の整備
・産業の振興
・居住環境の整備
・都市機能の総合的整備
・広域的な交通施設,情報・通信基盤施設の整備
(3)九州北部研究学園都市建設構想

九州北部研究学園都市建設構想は,九州北部が有する学術研究・文化等の蓄積を生かしながら,アジア地域との交流,人間と自然が調和した豊かな知的社会の形成,新たな科学技術の展開などを目指した学術研究都市の整備を行おうとするものである。筑波や関西の研究学園都市と異なり,北九州,福岡,久留米・鳥栖,佐賀等の,福岡県から佐賀県へかけての既存の都市機能,学術研究機能,産業技術機能を活用・連携しながら,新たな学術研究機能を順次整備していくネットワーク型の学術研究ゾーン整備である。

北九州の環境・材料,福岡のソフト・都市型先端科学,久留米・鳥栖のバイオ,佐賀のセラミックス等の各地域の特性とそれらの交流・融合を基に,アジア・世界を視野に入れた新たな研究機能や人材育成機能,ネットワークセンター等の整備を進めている。


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