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第1部   科学技術の地域展開
第2章  地域と共に発展する科学技術
第1節  地域振興における科学技術の役割


科学技術と経済社会の発展が密接な関係を有することは言うまでもないことだが,特に近年の我が国の経済発展における科学技術の役割は高く認識されている。経済の長期的発展のためには科学技術は欠かすことのできないものとなっており,地域経済においても経済成長に対する技術進歩の寄与率は高く現れている。このような中で地域産業の振興のために科学技術の推進を図ろうとする地方公共団体は多くなっている。特に,ハイテク型産業の創出や既存産業の高度化等の産業構造の変化に対応していくためには科学技術の振興は不可欠であり,産業技術の高度化,新たなシーズの創出を進めて地域産業の振興を図り,地域の活性化に役立てようとしている。

第四次全国総合開発計画では,多極分散型国土の形成を目的に一極集中の是正と地方圏の戦略的,重点的整備を進めることとし,地域の活性化のために,地方都市における産業のソフトな基盤となる研究開発機能の集積,研究開発等の高次機能の地方展開や試験研究関連施設,公設試験研究機関等の整備充実を進めることを定めている。これは地域経済の発展のためには,従来の工業団地などの整備にとどまらず,研究開発等の高次機能を整備することが不可欠となってきたためである。

一方,地域の振興に当たっては,産業の振興ばかりでなく,保健・医療・福祉等の向上,災害の防止等より快適で豊かな地域の生活の向上にも科学技術の果たす役割は大きい。また高度な研究開発機能の存在は,その他教育文化機能と合わさって新たな地域文化の創造にも役立つことが期待される。

臨時行政改革推進審議会の「国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第2次答申」においては,豊かな地域社会の形成の方策を具体的に取り上げ,「高齢社会に対応し得る地域福祉システムの整備」,「地域における多様な教育・文化の実現」,「自主的・自立的な地域・産業振興の推進等」,「労働時間の短縮」,「地域環境問題への対応」を提言しているが,これらの施策の実現に当たっては多分野の科学技術の貢献が期待されるところである。

このように産業,生活両面において豊かな地域社会を築いていくために科学技術は大きな役割を果たすことが期待されているが,地域での中心となる研究主体は地方公共団体や地元の大学,企業であり,また地域の活動に当っては様々な面で地域住民の理解と協力が得られることも重要である。このような条件の下では,地域において推進される科学技術は我が国全体の発展に貢献するものとして推進される一方,地域と共に発展していくことが求められるのである。


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