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第1部   科学技術の地域展開
第1章  科学技術の地域への新展開
第1節  科学技術の最近の動向と地域への影響
1.  研究拠点


(国立試験研究機関)

研究者を有する国立試験研究機関数(支所等を含む)については,全国で昭和61年度末には138機関あったものが,平成3年度末には139機関となっている。これを地域別に,昭和61年度末と平成3年度末のものとを比較すると,東京都が全体の19.6%から20.9%へ,東京圏が同25.4%から25.9%へ,関東圏が同52.9%から53.2%へとなっている。このように,国立試験研究機関の地域分布は関東圏に集中しており,また,その推移についても,あまり大きな変化はみられない( 第1-1-1図 (1))。

(公設試験研究機関)

地方公共団体は行政目的を達成するため,工業試験場,農業試験場,衛生試験場等の試験研究機関を設置しており,従来より地域における科学技術行政の中心をなしてきた。このような公設試験研究機関数(人文・社会科学系を含む)については,総務庁「科学技術研究調査報告」によると,全国で昭和61年には679機関あったものが,平成3年には654機関となり,減少の傾向がみられる。

これを地域別に,昭和61年と平成3年のものとを比較すると,東京都が全体の2.7%から3.2%へ東京圏が同11.9%から13.0%へ,関東圏が同23.1%から24.2%へとなっており,全国に分布している。また,その推移については,国立試験研究機関と同様にあまり大きな変化はみられない( 第1-1-1図 (2))。

第1-1-1図 国立及び公設試験研究機関数の推移

(公益法人等の研究所)

以上の国及び地方公共団体の試験研究機関以外に,法律に基づいて設立された特殊法人,認可法人や公益法人の設置する研究所も我が国の科学技術の振興に大きな役割を果たしている。このような公益法人等の研究所数については,総務庁「事業所統計調査報告」によると,全国で昭和56年には429箇所,昭和61年には536箇所,平成3年には615箇所と増加している。

これを地域別に,昭和61年と平成3年のものとを比較してみると,東京都が全体の40.9%から38.9%へ,東京圏が同51.3%から48.1%へ,関東圏が同59.5%から56.1%へとなっている( 第1-1-2図 )。

このように,公益法人等の研究所については,東京圏に集中していたが,近年,東京都,東京圏,関東圏ともに全国に対する比率が減少しており,地域分散の傾向がみられる。

第1-1-2図 公益法人等の研究所数の推移

(大学)

大学も,我が国科学技術振興に大きな役割を果たしている。大学数については,文部省「学校基本調査報告書」によると,全国で昭和61年に465校あったものが,平成3年には514校となっている。

これを地域別に,昭和61年と平成3年のものとを比較してみると,東京都が全体の22.6%から20.6%へ,東京圏が同31.2%から31.5%へ,関東圏が同36.1%から36.4%へとなっている( 第1-1-3図 )。

このように,大学数の推移については,東京都の比率が減少している。ただし,東京圏,関東圏としてはほぼ横ばいとなっている。

なお,科学技術庁科学技術政策研究所が行った「地域における科学技術振興に関する基礎調査(中間報告)」によれば,大学の理工系学部数についてもほぼ同様の分布となっている。

第1-1-3図 大学数の推移

(民間企業の研究所)

我が国研究費の7割以上を使用する民間企業の動向は極めて重要である。民間企業の研究所の新設については,昭和40年代の第1次研究所ブームの後,40年代末から50年代初めに石油危機でしばらく低迷したものの,近年は第2次ブームに入っており,この3〜4年は特に顕著である( 第1-1-4図 )。

民間企業の研究所数については,平成3年3月には全国で4,057箇所となっている。

第1-1-4図 民間企業の研究所新設の推移

これを地域別に,昭和60年と平成3年のものとを比較してみると,東京都が全体の24.2%から22.4%へ,東京圏が同47.0%から43.8%へ,関東圏が同53.3%から51.6%へとなっている( 第1-1-5図 )。

このように,民間企業の研究所数については,東京都,東京圏,関東圏がともに減少しており,地域分散の傾向がみられる。ちなみに,総務庁「事業所統計調査報告」では,自然科学研究所(民営)の事業所数が示されているが,以上とほぼ同様の傾向がうかがえる。

また,民間企業の大規模研究所の新規立地件数について,通商産業省「平成3年工場立地動向調査(速報)」でみると,昭和61年から63年までに立地したものが144件,平成元年から3年までに立地したものが159件となっている。

第1-1-5図 民間企業の研究所数の対全国比の推移

これを地域別に比較してみると,東京都が全体の1.4%から1.3%へ,東京圏が同28.5%から21.4%へ,関東圏が同52.1%から34.0%へとなっている( 第1-1-6図 )。

このように,大規模の民間企業の研究所の新規立地件数については,東京都はほとんど新規立地がみられず,東京圏,関東圏はともに減少し,関東圏以外の地域への分散の傾向が顕著となっている。

第1-1-6図 研究所立地件数の推移

次に,どのような研究所が地域に分散するかをみてみる。

上述の立地件数の比較からも明らかなように,大規模な用地を持った研究所の新規立地は,東京圏,関東圏の比率が低下しており,これ以外の地域の比率が高くなっている。このことから,近年,大規模の設備や施設を有する研究所の設置が特に地域で増えていると考えられる。

科学技術庁が平成4年6月に民間企業1,318社(回答921社)に対して行った「民間企業の研究活動に関する調査(平成4年度)」(以下「民間企業研究活動調査」という。)によると,東京都,大阪府,神奈川県以外の地域の研究開発拠点ではどのような研究を行っているかについては,「実験設備や施設を利用するある程度大がかりな実験を伴う研究」の比率が大きくなっており,東京圏等の研究所と地域の研究所との性格が異なっていることがわかる( 第1-1-7図 )。

第1-1-7図 研究開発拠点における研究内容


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