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第3部   我が国の科学技術政策の展開
第3章  研究活動の推進
第3節  科学技術振興基盤の強化
6.  地域における科学技術の振興


科学技術会議第11号答申(昭和59年11月),第四次全国総合開発計画(昭和62年6月,閣議決定)・等において,地域の研究開発機能の強化が地域活性化の戦略的課題として位置づけられたこと等を背景に,近年,研究開発機能の高度化を促進することによって地域振興を図ろうとする地域が増大している。

このような状況の中で,神奈川県,富山県,兵庫県,静岡県などが,科学技術振興策を審議する審議会,会議等を開催するとともに,神奈川県,埼玉県,岩手県などが,科学技術政策の大綱や指針等を策定するなど,全国の各地域において,科学技術振興への積極的な取り組みが始まっている。

地域においては,従来から公設試験研究機関を中心とした研究開発が推進されてきたが,地域産業の技術開発力の向上等を背景として,近年,多くの自治体で公設試験研究機関の再編整備等が計画あるいは検討されている。

また,地域における研究学園都市構想の策定や総合的に科学技術振興を推進する公益法人等の中核的機構の設置など,自治体レベルでの科学技術振興の新しい展開が見られるようになっている。

ここでは,地域における科学技術振興のための国の諸施策について概観する( 第3-3-14表 )。


(1) 地方科学技術振興会議
第3-3-14表 地域科学技術の振興に関する施策

科学技術庁では,地域における科学技術振興施策の一環として,全国を8つのブロックに分け,そのブロック単位として地方科学技術振興会議を開催している。本会議は,科学技術関係諸機関と産業界・学界をはじめとした各界との連携の機運を醸成し,地域における科学技術振興基盤確立に資することを目的として,科学技術関係者をはじめとした各界の人々が一堂に会し,科学技術に関する国と地域の意思の疎通,当該地域における科学技術の振興に関する諸問題の検討を行っている。


(2) 地域研究交流促進事業(地域ハイテクネットワーク)

科学技術庁では,昭和63年度から,地域において研究情報ネットワークを整備し,これを中核として,地域内及び地域と筑波研究学園都市との研究交流,情報交流,新技術の開発等を推進する地域ハイテクネットワークづくりを進めている。平成2年度までに,大分県地域,静岡県地域,富山県・石川県地域,東北地域,京阪奈地域においてネットワークを構築し,それを積極的に活用しつつ,研究交流を通じた地域における研究開発の高度化を進めている。


(3) 地域流動研究

科学技術庁では,平成2年度から科学技術振興調整費を活用し,地域の研究機関に地域内外の優れた研究者を結集して,地域の特色を生かしつつ我が国の科学技術水準の向上に資する基礎的・先導的研究を行う地域流動研究を実施している。

研究推進の指導を行う地域中核オーガナイザーのもとで,国立試験研究機関,大学,公設試験研究機関,民間企業等の研究者の結集により,研究を積極的に推進しており,平成2年度は,山形県,福岡県及び沖縄県において研究を開始した。


(4) 重要地域技術研究開発解消

通商産業省では,昭和57年度から,地域のニーズに基づく重要な研究開発課題について,工業技術院の地域試験研究所,公設試験研究機関,民間企業等が一体となって研究開発に取組む重要地域技術研究開発解消(通称「地域大プロ」)を実施している。

現在,北海道,東北,中部,近畿,中国,四国,九州の全国7地域において,それぞれの地域の工業技術院試験研究所と公設試験研究機関,民間企業等とが共同研究を行っており,産学官の連携による地域技術の振興を積極的に推進している。


(5) 研究開発拠点等の整備

第四次全国総合開発計画においては,筑波及び京阪奈丘陵を文化・学術・研究等の拠点として整備するとともに,各地域においてその特性を生かした研究学園都市の整備を図り,これらを結んだ研究開発等のネットワークづくりを進めることとされている。

1) 筑波研究学園都市

筑波研究学園都市は,首都圏全域の均衡ある発展に資するとともに,高水準の研究,教育のための拠点を形成し,科学,学術研究及び高等教育に対する時代の要請に応えるため国の施策として建設が進められている。

現在,本都市には,国の試験研究・教育機関等47機関がほぼ概成して業務を開始しており,また,民間の研究機関も進出している。

このように,本都市の充実が図られてきており,さらに我が国内外の研究開発拠点として育成するための諸施策を推進しているところである。

2) 関西文化学術研究都市

関西文化学術研究都市は近畿圏に培われてきた豊かな文化・学術・研究の蓄積を生かし,21世紀に向けた創造的かつ国際的,学際的,業際的な文化・学術・研究の新たな展開の拠点づくりを目指すものであり,昭和62年6月に施行された「関西文化学術研究都市建設促進法」に基づき,その整備が進められている。


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