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第3部   我が国の科学技術政策の展開
第3章  研究活動の推進
第1節  重要研究開発分野の推進
3.  社会及び生活の質の向上のための科学技術の推進


社会の成熟化や高齢化が進み,また,国際社会と調和した活動展開が求められるようになった状況を踏まえ,従来以上に人間を重視し,人間あるいは社会により良く適合しその健全な発展を促す科学技術の展開が求められている。このような認識のもとに,科学技術会議第11号答申(昭和59年11月)及び科学技術政策大綱(昭和61年3月閣議決定)において,社会及び生活の質の向上のための科学技術の推進の重要性が指摘されている。このような状況のもとに,科学技術政策大綱で指摘された以下の分野について,科学技術会議等の基本方針を尊重しつつ,関係省庁においてそれぞれ研究開発が推進されている。


(1) 人間の心と体の健康の維持増進

生活水準の向上等により人間の精神的,身体的な健康の確保に対する要求が高まってきている。これまで人の健康対策については,疾病や障害への対応に重点が置かれてきたが,今後は日常性の中で健康を増進していくことが従来以上に求められている。このため,精神的,身体的な健康の維持増進,新しい医療の確立のための研究開発を推進していくことが必要である。

本分野については,「脳・神経系科学技術推進の基本方策に関する意見」(昭和62年8月 科学技術会議),「免疫系科学技術推進の基本方策に関する意見」(昭和62年8月 科学技術会議),「エイズ問題総合対策大綱」(昭和62年2月 エイズ対策関係閣僚会議決定),「がん研究推進の基本方策に関する意見」(昭和58年7月 科学技術会議),「対がん10か年総合戦略」(昭和58年6月 がん対策関係閣僚会議決定)等が策定され,研究開発が重点的に推進されている。

生体恒常性維持機能の研究,心身障害研究,食品の生体調節機能解析,がん・循環器疾患・難病等の診断・治療技術,医療システムの開発,診断治療機器・人工臓器の開発等の研究開発が,科学技術庁,厚生省,文部省,通商産業省等により推進されている。


(2) 個性的で文化的な生活の形成

生活そのものの質的向上,高齢化社会の到来,出生率の低下等への対応については,個人,家庭,地域社会等の主体的な活動に委ねられる部分が大きく,科学技術面での対応にはおのずと限界はあるが,その推進によってこれらの向上に大きく寄与していくことが期待される。

このため,生活の改善,文化的諸活動・良好なコミュニティの形成支援,高齢化時代への対応のための研究開発を推進していくことが必要である。

本分野については,「長寿社会対応科学技術推進の基本方策に関する意見」(昭和61年5月 科学技術会議)等が策定され,研究開発が重点的に推進されている。

建設用新材料開発,住宅用機器支援システム開発,生活関連物質の安全対策,高齢者向け機器開発等の研究開発が,厚生省,通商産業省,郵政省,労働省,建設省等により推進されている。


(3) 快適で安全な社会の形成

都市化の進展,交通・運輸や通信システムの発達等社会全体が高度化,複雑化していく中で,住み良い生活空間の創造と地域の特徴を生かした生活環境の整備が求められている。このため,快適で安全なまちづくり・むらづくり,交通輸送・情報通信システムの整備,防災・安全対策の高度化,環境の保全のための研究開発を推進していくことが必要である。

本分野については,「建設技術研究開発の長期展望」(昭和63年4月建設省),「運輸省研究基本計画」(毎年度 運輸省),「電気通信技術に関する研究開発指針」(昭和62年8月 郵政省),「21世紀を展望した情報通信技術開発に関する基本方策について」(平成3年6月 電気通信技術審議会 郵政省),「防災に関する研究開発基本計画」(昭和56年7月 内閣総理大臣決定),「公害の防止等に関する試験研究の重点強化及び総合的推進について」(毎年度 環境庁)等が策定され,研究開発が重点的に推進されている。

都市・農村の計画・建設技術の開発,都市機能の維持管理技術,新しい交通輸送システム開発,新しい情報通信システム開発,自然災害の発生機構の解明・予知予測,労働衛生・安全の確保,環境汚染の防止等の研究開発が,警察庁,科学技術庁,環境庁,農林水産省,運輸省,郵政省,労働省,建設省等により,また地震・火山噴火予知,航空の要素技術等の研究開発が科学技術庁,運輸省,建設省等により推進されている。


(4) 地球的視野に立った人間環境の改善

近年,地球的規模での環境悪化が進みつつあり,国際的に協力してこれらの地球的課題の解決を図っていく必要がある。また,今後国際的相互依存関係はますます高まっていくと考えられ,我が国の科学技術面での活力を利用して国際社会の発展に貢献していくことが重要である。このため,地球的規模の環境問題への対応,国際間の相互理解の支援,開発途上国の生活と社会の向上のための研究開発を推進していくことが必要である。

本分野については,平成3年度地球環境保全調査研究等総合推進計画(平成3年6月 地球環境保全に関する関係閣僚会議)がまとめられ,さらに,科学技術会議第17号答申に基づき,「地球科学技術に関する研究開発基本計画」が内閣総理大臣決定(平成2年8月)されており,研究開発が重点的に推進されているところである。

地球環境変動の把握・対策技術等の研究開発が,科学技術庁,環境庁,文部省,農林水産省,通商産業省,運輸省,郵政省,建設省等により推進されている。


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