ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第1部  科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題
第2章  科学技術活動のグローバリゼーションの推進
第4節  科学技術活動のグローバリゼーションを支える共通の価値観と共通規範
1  共通の価値観と共通規範の必要性


科学技術活動のグローバリゼーションを支える共通の価値観と共通規範をまとめてみる( 第1-2-25図 )。

まず,科学技術活動は,人類と地球の共存を目指したものでなければならない。最近,地球環境の破壊が懸念されているが,この問題はまさに地球上の生物の生存を脅かし始めている。地球環境問題の解決にとって,科学技術が有力な手段となりうるので,科学技術による適切な対応を図っていく必要がある。しかしながら,科学技術もその使い方を誤れば,人類に悪影響を及ぼさないとも限らない。また,南北格差の拡大が懸念されているが科学技術の活用によって開発途上国の経済活動をテイクオフさせ,南北格差の是正を図っていくことも強く求められている。このように,広い意味で人類と地球が共存していくためには,地球環境の保全など,全ての生物が生存していく上で根源的に重要な生存基盤が揺らぐことのないようにしていくことが必要である。

第1-2-25図 科学技術活動のグローバリゼーションを支える 共通の価値観と共通規範

第2に,科学技術の発展には,研究者や民間企業が同じような枠組みの下で研究開発に取り組んでいくことが必要である。基礎科学では,新しい知見の発掘をめぐり世界中の研究者がしのぎを削っているし,技術革新においても世界中の民間企業間における競争が激化している。各国において,政府の支援する研究プロジェクトヘ外国人研究者や外国企業の参加が認められていなかったり,知的所有権制度が異なっていたり,規格の相違などにより公正な競争が阻害されることのないよう,共通の考え方やルールを確立していくことが必要である。

第3に,前章で分析したように,研究活動が国境を越えて行われ,情報交流や研究分担により研究が効率的に行われることが多くなってきている。また,研究施設や設備が巨大化する研究分野が増加しているため,一国で研究開発を実施することが不可能な分野が出ている。すなわち,国際共同研究により効率的に研究を実施したり,また,メガサイエンスのようなプロジェクトでは,資金,人材,技術を各国が提供しあって計画的に遂行することが必要になりつつあるため,このような国際的な協力においても共通の考え方が必要である。

以上述べてきたように,科学技術活動のグローバリゼーションを支えるに当たっては,共通の価値観と規範の確立が求められている。すなわち,「人類と地球が共存していくために必要とされるもの」,次に「研究開発を同じ様な枠組みの下で実施するためのもの」,そして「国際研究協力を発展させるためのもの」である。これらは多岐にわたっているが,共通的な考え方の確立に当たっては,その合理性と透明性を確保し,関係者が十分に納得ができるよう体系化することが必要である。ここでは,科学技術活動のグローバリゼーションを支える共通の価値観と共通規範の具体的内容についてその背景と課題を探る。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ