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第1部  科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題
第2章  科学技術活動のグローバリゼーションの推進
第3節  内なるグローバリゼーションを目指して
8.  民間企業における世界で通用するマネジメントの確立への努力


我が国民間企業も国境を越えた研究開発活動を展開するようになってきたが,その増大とともに,各国の制度・慣行の違いがクローズアップされるばかりでなく,国内と現地との企業間の研究マネジメントの違いも認識され始めてきている。国内でのマネジメントが世界に通用しない場合もあり,自社の研究マネジメントを再点検し,合理性,透明性を持った世界で通用するマネジメントを確立することが求められる。

(海外研究機関の各種規律との調和)

我が国民間企業は研究開発活動を積極的に展開する一方で,国内においても外国人研究者を多く受け入れるようになっており,外国人あるいは海外から見て合理的な研究環境を作って行くことが求められている。

「民間企業研究活動調査」によれば,自社の海外研究開発拠点あるいは外国企業の研究開発拠点と同一あるいは類似のルールを採用することを考慮しているかどうかとの間に対して,「研究成果の取扱い」や「外部との共同研究」については,「採用する」と答えた民間企業の数が「採用しない」と答えた民間企業の数を上回っており,既に研究開発活動のグローバリゼーションの影響が我が国民間企業にも浸透していると考えられる。「外部との共同研究」に際しては相手側と研究を進めるためのルールを統一する必要性のあることは明らかであるが,「研究成果の取扱い」に関しては今後研究成果を公表していこうという民間企業の意識の変化がうかがえる。一方,「採用,処遇などの人事」や「勤務形態」については,自社の海外研究開発拠点あるいは外国企業の研究開発拠点と同一あるいは類似のルールを「採用せず」とする企業が多く,その難しさをうかがわせるが,「採用する」としている民間企業が20%程度あり,民間企業の研究開発活動のグローバリゼーションが人事制度や勤務形態にも影響を与えつつある様子が汲み取れる。また,使用言語の統一(例えば英文併記)については,「採用しない」が「採用する」を上回っているものの,その差は10%を切っており,今後このような方向をとる民間企業が増えるものと予想される( 第1-2-23図 )。

第1-2-23図 自社の海外研究開発拠点あるいは海外の民間企業の研究 開発拠点との同一または類似のルールの採用

国内外の研究開発拠点に外国人研究者が増加してくると,社内の書類や表示あるいは案内,コンピュータネットワークの電子メール・掲示板等に日本語だけを使用するというわけにはいがなくなる。また,海外研究開発拠点の日本人研究者との文書のやり取りにしても日本語だけで行っていると,自然と外国人研究者の不信感を醸成する可能性もある。このため現実問題として,研究開発部門での英語使用を積極的に行うとか,日本語と英語の併用などの対応策を講じることが不可避となってこよう。このように使用言語の統一が行われると,国際的な研究者間の交流に関して地理的に不利な状況にある日本企業の研究者にとって,リアルタイムで世界中の研究者と情報交換が可能なコンピュータネットワークに積極的に参加でき,大きなメリットとなるばかりか,外国人研究者にとっても日本人研究者へのアクセスが容易になり,情報交流が一層促進されよう。


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