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第1部  科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題
第2章  科学技術活動のグローバリゼーションの推進
第3節  内なるグローバリゼーションを目指して
7.  民間企業の基礎研究への取組み


(基礎研究所)

我が国民間企業は,研究開発,将来のビジネスの糧となる革新技術の芽を育成するための基礎研究を重視し始めており,近年,基礎研究所等を内外に設立してきている。一方,海外においては,極めて先端的な研究部門にも外部から研究者を寛容に受け入れ,科学技術の歴史に先導的な役割を果たしてきた民間の研究所が幾つかある。「民間企業研究活動調査」によれば,このような先端的な研究所の設立について,我が国民間企業は積極的に評価しており,81%が必要性を認めている。しかし必要性の認識と現実の間には大きなギャップがあり,実際に国内でそのような研究所を設立している企業は1%にすぎない。しかし今後設立を予定している企業も1%あり,これらの世界に向けて開放された先端的な研究所の基礎研究分野での貢献が期待される( 第1-2-20図 )。

第1-2-20図 先導的役割を果たす民間企業における基礎研究所の設立

(成果の公開性)

基礎研究所を設立している民間企業はさほど多くはないが,「民間企業研究活動調査」によれば,基礎研究には民間企業の5割が取り組んでおり,基礎研究で得られた成果については17%が欧米企業と同様に公表していると回答している。この比率は今後,さらに増加傾向にあり,欧米企業より積極的に公表すると回答している民間企業も含め,基礎研究の成果の公開に対して積極的な民間企業が増加するという結果になっている( 第1-2-21図 )。今後,民間企業における基礎研究の成果の公開については,「欧米企業より公表している」が「欧米企業より公表していない」を上回るような努力が期待されよう。また,こうした成果の学会での発表については民間企業の6割が会社として支援しており,企業活動に支障のない範囲で学会発表を許容している企業を含めると9割強になっており),基礎研究に関する企業の積極的取組みがうかがわれる( 第1-2-22図 )。民間企業における基礎研究で得られた成果については,ノウハウは除き,特許・論文等により公開するよう努力すべきであり,特別の理由もなく公開を遅らせ,逆に意図的に公開をしないのではないかというような誤解を受けないように配慮すべきである。研究者が研究成果を可能な限り発表できるようにすることは民間企業における研究マネジメントの課題であるといえよう。

第1-2-21図 民間企業の基礎研究部門における研究成果の公表

第1-2-22図 民間企業における研究者の学会発表

海外の研究開発拠点において得られた成果については,現地のルールに則って扱わなければいけないのはいうまでもないが,特に現地で得られた成果は現地で公開するという考え方で,現地への還元に配慮することが現地の社会と共存していくための不可欠の要件となろう。


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