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第1部  科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題
第2章  科学技術活動のグローバリゼーションの推進
第3節  内なるグローバリゼーションを目指して
4.  外国人研究者の受入れの促進とそのための環境整備


(外国人研究者受入れの促進)

我が国の研究者の人材交流においては,依然として派遣が受入れを大きく上回っている。米国をはじめとする先進諸国への派遣が多く,韓国,中国などのアジア諸国からの受入れが多いのが特徴となっている。異なった文化・歴史の下で育ち,日本人とは違う発想を有する海外の研究者を受け入れ,我が国の研究者との交流を推進することは,研究開発の促進のために重要であり,研究者の交流,特に外国人研究者の受入れを進めることが重要である。

研究者の側においても,外国人研究者を研究員として採用することには,9割近くが肯定的であり( 第1-2-13図 ),また,外国人研究者を受入れた場合,日本人研究者が触発されたり,外国人研究者の出身研究機関との連携が緊密になるなどのメリットがあるとする意見が多い( 第1-2-14図 )。

また,研究交流促進法を制定し,外国人を国立試験研究機関において研究部長,研究室長クラスの研究公務員としても任用しうるように措置したが,まだ十分に活用されるまでには至っていない。外国人研究者を受け入れるために新たに設けられた各種のフェローシップ制度は評価を高めているが,米国やドイツの研究者受入制度に比べてまだ規模が相当小さい。今後は,受入枠,派遣枠の拡大などにより,より一層の人材交流の促進が必要である。

第1-2-13図 外国人研究者の採用

第1-2-14図 外国人研究者受入れのメリット

(外国人研究者受入れのための環境整備)

外国人研究者の我が国への受入れを促進するためには,研究に直接関係しない生活環境等の整備も重要であると考えられる。

研究者が外国で研究を行う際に問題となることとして,日米の研究者を対象とした調査結果では,両国の研究者とも「言語」が最も大きな問題であると回答している。次いで米国人研究者については「住居」,「配偶者の雇用」,「子供の学校」の順となっている。逆に日本人研究者については「子供の学校」が多く,次いで「配偶者の雇用」,「住居」の順となっている( 第1-2-15図 )。

また,来日中の研究者へのアンケート調査結果によれば,配偶者が来日してない研究者は40%で,配偶者が来日していない理由としては「配偶者が仕事をもっているため」が最も多くなっている( 第1-2-16図 )。子供が来日していない研究者は33%であり,子供が来日していない理由としては,ほとんどが「教育上の問題」をあげている( 第1-2-17図 )。

第1-2-15図 相手国で研究を行う際の最も大きな障害

第1-2-16図 配偶者の来日

第1-2-17図 子供の来日

このように,外国人研究者を受け入れる場合には,住宅の問題,配偶者の就職の問題,子供の教育の問題などが存在し,研究に直接関係しない,研究者を取り巻く環境が障害となる場合が多いと言える。住宅の問題は金銭的に解決しうるとしても,外国人研究者を我が国に受け入れていくためには,研究者の配偶者の就職,子供の教育等をも含めた総合的な受入れ態勢の整備が必要である。そのような生活の基盤がどの程度整備しうるかが今後の大きな課題となってこよう。

これらに対し,既にいくつかの対処もなされてきている。科学技術庁では,筑波研究学園都市内の国立試験研究機関等で研究に従事する外国人のための宿泊施設をつくば市松代に設置し,研究交流センターが管理,運営を行っているほか,同都市内の研究機関等に滞在する外国人研究者及びその家族への日本語研修等を実施している。また,新技術事業団においても国際研究交流促進事業の一環として,外国人研究者及びその家族のための宿舎をつくば市竹園で運営しているほか,研究と日常生活の両面で安心して過ごせるように,英文の生活情報誌の提供,日本語の研修,英語による生活相談などの支援を行っている。さらに,通商産業省工業技術院では国際研究交流センターを設置し,受け入れた外国人研究者のために,日本語研修や外国人研究者向けの宿舎の借上げ・斡旋等を行っている。

今後は,このような側面からの支援も重要性を増してくるものと考えられる。


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