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第1部  科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題
第1章  グローバリゼーションの進展
第4節  まとめ
2.  科学技術活動のグローバリゼーションにおける我が国の位置付け


進展しつつある科学技術活動のグローバリゼーションの中での我が国の位置付けはどうであろうか。

基礎研究については,既に見てきたように,論文生産数でイギリスと拮抗するまでに成長するとともに,論文の影響度を示す被引用回数も上昇している。また,基礎研究分野で,米国とはまだ大きな差があるものの,西欧と肩を並べる水準になってきている。しかし,研究者一人当たりの論文生産数では,本分析のもととなっているデータベースが英文雑誌を中心としていることなどの言語上の問題や日本の研究者は諸外国と比較して民間企業の研究者が多いことなどもあり,主要5カ国中最低に位置しており,研究規模から考えると,論文生産数はまだ不十分と考えられる。

技術面を見てみよう。技術貿易については,米国のみが黒字であるが,我が国では,1989年度の収支比(輸出/輸入)がばほ拮抗するようになっている。また,ハイテク製品輸出額では1986年にトップとなっており,米国での特許出願件数・登録件数で米国に次いで第2位になっている。一方,日本企業は研究拠点を盛んに海外に設立するようになっており,現地での製造に引き続いて1987年頃から現地の市場ニーズに合致した製品の製造のための開発や長期的な視点に立った基礎研究を海外の研究開発拠点で実施する傾向がでている。このように,我が国の科学技術活動は最近活発になってきている( 第1-1-69表 )。

第1-1-69表 科学技術及び経済社会に関連する最近の動向

それぞれの先進国における科学技術活動の特徴を調べてみる( 第1-1-70図 )。図の左側には主として民間企業の活動に関連する事項として民間負担研究費,海外における特許登録件数,技術貿易輸出額,ハイテク製品輸出額,図の右側には主として公的部門に関連する事項として政府負担研究費,ノーベル賞受賞者数,国際共著論文数,論文の海外における被引用回数が表示されている。これを見ると,米国,欧州諸国では,ほぼ左右均衡となっている。これに対し我が国では左側部分が大きく,右側が小さくなっており,特殊な形となっていることがわかる。このことから,我が国は民間企業の活躍により応用的な技術の面ではかなりの力を有するようになってきているが,反対に基礎研究は規模の面からはある程度の水準にあるものの,技術面との比較では不均衡な姿を露呈しており,他の先進国と比較してもこれが際立っている。

第1-1-70図 主要国における科学技術活動の国際比較


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