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第1部  科学技術活動のグローバリゼーションの進展と我が国の課題


ベルリンの壁の崩壊に象徴される欧州での東西冷戦の終焉は,いやおうなく世界秩序の再構築を促すことになった。しかし,1990年8月,イラクのクウェート侵攻に端を発した湾岸危機は,その困難な側面を浮き彫りにした。また,先進国と開発途上国の間の長年の懸案である南北問題は解消の気配がなく,南北間の格差はむしろ拡大傾向にあり,今後の世界の不安定要因になりかねない状況にある( 第1-1-1表 )。

さらに,地球環境問題,人口問題,資源・エネルギー問題など人類の将来に不安を投げ掛ける問題も山積しており,世界中の国々が英知を結集して,これらの問題に取り組まなけれ(ばならなくなってきている。

一方,我が国は世界第2位の経済規模を有するとともに,高い科学技術力を有する国として国際的に評価されるようになってきている。

科学技術は,これらの問題の解決手段を提供する役割も有しており,我が国がその得意とする分野で国際社会における責務を果たしていくことは,まさに我が国がとるべき道であると考えられる。

科学は国境を越えて知識のやり取りが行われるという本来的な性格を有しているが,近年,科学技術活動は一層活発になっており,発明者の所有に帰することの多い技術についても技術貿易や直接投資の拡大とともに流通のスピードが速まってきている。この結果,科学技術活動は今や,従来のような2国間の協力関係の深化というような次元を越え,世界各国の協力関係が複雑に絡み合うとともに,全地球的な課題の発生に対し,世界が一致協力して研究開発に当たるというような状況が出てきている。今回の白書では,科学技術活動のこのような世界規模化,あるいは世界各国の相互依存化の動きを「科学技術活動のグローバリゼーション」という形でとらえ,第1部において,科学技術活動におけるグローバリゼーションの実態とその中での我が国の位置付けを明らかにし,今後の我が国の方向と役割を探る。

第1-1-1表 世界情勢と科学技術との関係


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