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第4章  我が国科学技術政策の展開
第3節  研究活動の推進
3  科学技術振興基盤の強化
5.  科学技術情報の流通


科学技術情報は,高度の知識と多額の研究投資が集約された研究開発の成果であるとともに,科学技術の振興を支える重要な基盤の1つである。科学技術の発展に伴い,科学技術情報の生産量は年々伸び続けており,これらの中から的確な情報を迅速に入手することが困難になっている。

このため,情報を収集・整理して,検索しやすい形に加工したうえ,個々の利用者の要求に応じて適切な形で提供するという情報活動の重要性が益々高まっている。


(1) 科学技術情報活動に係る基本的推進政策

科学技術情報流通に関する基本的な政策は,昭和44年の科学技術会議第4号答申「科学技術情報の流通に関する基本的方策について」において示された「科学技術情報の全国的流通システム(NIST)」の構想に基づいている。

また,科学技術会議は,平成元年12月に諮問第16号「科学技術振興基盤の整備に関する基本指針について」に対する答申をとりまとめ,科学技術情報をはじめとする振興基盤の整備の重要性を指摘した。科学技術情報に関しては,提供情報の充実,情報利用者の利便性に主体を置いた情報流通体制の整備,情報の国際流通の促進と地方展開,情報収集の強化・充実,情報提供機能の高度化を進めるべきことが指摘されている。


(2) 我が国の科学技術情報活動

我が国の科学技術情報活動の概要は以下のとおりである。 第4-18表 に各省庁の科学技術情報流通に関する施策を示す。

1) 一次情報サービス

閲覧・複写・貸出等による一次情報(原文献)の提供サービスは,図書館のほか,様々な情報サービス機関で行われている。国立国会図書館には,納本制度によって我が国で発行されるすべての出版物が納本されることになっており,収集・保管資料に関するデータベースが作成され,オンラインで提供されている。文部省では,学術情報センターが,全国の国公私立大学等の協力を得て,大学図書館が所蔵している学術図書・雑誌の目録所在情報データベースを作成・提供している。

2) 二次情報サービス

情報をコンピュータを利用して編集し,データベース化することにより,増大する情報の迅速,正確かつ容易な検索が可能となった。科学技術分野において,このようなデータベースの生産と利用は,世界的に急激に伸長している。代表的なデータベースの多くは論文等の内容をまとめた文献データベースであるが,数値情報や画像情報を収録したファクトデータベースの重要性も増加している。日本科学技術情報センター(JICST)においては,科学技術に関する総合的文献データベースを作成(年間64万件)し,オンラインで提供しているほか,化合物辞書等のファクトデータベースの充実を図っている。学術情報センターにおいては,学術研究に関するデータベースを作成し,全国の国公私立大学等を結ぶ学術情報ネットワークを通じて提供している。この他,(財)日本特許情報機構では,特許情報をデータベース化し,オンラインで提供するなど様々なデータベースが作成・提供されている。

第4-18表 各省庁における科学技術情報流通関連施策


3) クリアリングサービス

研究課題についての情報を提供するクリアリングサービスについては,JICSTが,公共試験研究機関における研究課題情報をオンラインで提供し,また,学術情報センターが,科学研究費補助金により行われた研究の研究成果報告概要のデータベースを作成し,オンラインで提供している。

4) 科学技術情報の国際流通

我が国の科学技術の発展に伴って,海外からの我が国の科学技術情報に対する需要が高まってきている。このような要望に応え,我が国の科学技術情報の積極的な国際流通を図るため,昭和62年11月に国際科学技術情報ネットワーク(STNInternational)がJICST,米国のケミカルアブストラクツサービス(CAS),西独のFIZカールスルーエの三者間で開設された。学術情報センターでは,平成元年1月から米国国立科学財団(NSF)と相互接続を行ったのをはじめ,同年10月には米国議会図書館と,また,平成2年2月からは英国図書館とも接続し,学術情報の国際的な流通の促進を図っている。また,平成2年度から,JICSTは,米国等諸外国から要望が強いが入手が困難とされている科学技術分野の政府関係資料の流通を促進する事業を行っている。

5) 科学技術情報に関する研究開発の進展

科学技術振興調整費により,新しい有用な化学物質の設計等を支援する大規模な知識ベースシステムを構築するため,昭和61年度から「化学物質設計等支援のための知識ベースシステムに関する研究」が実施されているほか,研究者の発想を支援するため,平成2年度において「創造的研究開発支援のための自己組織型情報ベースシステムの構築に関する調査」が実施されている。また,JICSTにおいては,日本語のフルテキストデータベースを実用化するため,「フルテキストデータベースプロトタイプの開発」を行っている。


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