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第3章   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第1節  各国(地域)の科学技術政策
9.  中国
(1)  韓国


(概況)

1988年度の研究費は2.35兆ウォン(4,100億円)であり,この10年間で年平均31.4%増と急激に増加している。研究費及びその対GNP比1.90%はOECD諸国の中位国に相当し,単年度でみるなら欧州の中規模経済国に匹敵するようになった。

しかし,まだ技術の基盤の多くは外国に依存している。1988年の技術輸入額は6.76億ドル(870億円)で,かなり多額といえる。また,韓国内の特許出願件数2万件(1988年)の70%強が外国人出願である。

研究者数は1988年で5万7,000人であり,この10年の平均伸び率は15%と高水準である。日本の88年の研究者数44万2,000人に比べると約9分の1であるが,この10年間の伸び率は日本より大きい。

(方針)

科学技術の飛躍的発展を図るため,1)重要技術の国産化,2)技術者の養成,3)民間の研究開発の強化を政策の基本としている。特に,発展途上国の追い上げと賃金の高騰を背景に,1980年代からは「輸出立国」から「技術立国」への転換を目標として,科学技術予算の増大,国家的研究開発プログラムの実施,民間の研究開発投資促進等の施策を強力に推進している。

政府は,1990年7月に今後7年間の「科学及び産業技術発展基本計画」を発表した。この計画によると,今後官民の研究開発投資額を1996年には7〜10兆ウォン,対GNP比3〜4%の規模に拡大するとともに,総額約1兆ウォンの先端技術向上資金を創設し,キーテクノロジーの開発を集中的に支援することとしている。また外国から先端技術の移転促進を目的に,高速鉄道,原子力発電などを外国に発注するときには,一定範囲の国産部品の使用及び関連先端技術の移転を義務づけることにした。

(体制)

政府の研究開発負担額は4,158億ウォン(730億円)であり,この10年間は年平均18.9%増とGNPの増加率を少々上回っている。

全省庁の調整官庁である科学技術処は同時にレーザー,新物質,光産業,新素材等の中長期的に支援すべき大型の研究開発を担当している。

商工部は中小企業支援,製品の国際競争力向上,信頼性向上等のための技術開発を担当し,その他の各部処も所管の事業育成・発展のための研究開発を支援している。

(施策)

民間のみでは実施が困難なキーテクノロジー開発のため,国家プロジェクトを1982年より実施している。産業志向のプロジェクトは企業,公的企業及び政府の共同開発で,エネルギー,資源開発,健康,環境関連分野等公益性の高いプロジェクトは公的部門で実施している。

将来の発展に備え研究者を大量に養成するため,理科系大学生定員を1990年の9万4,000人(大学生定員の52%)から,1996年には11万8,000人(同55%)に増員する計画である。

民間の研究開発投資の奨励策として,大企業に対しては少なくとも1つの研究センターの設置を,中小企業に対してはそれぞれの分野で研究開発コンソーシアムの創設を奨励している。同時に,研究開発投資に対する種々の減税,先端研究設備輸入の促進策,長期低利融資等の金融・税制面での支援を行なっている。

政府の研究開発支援策の結果,産業界研究費の国全体に占める比率は1978年の51.2%から1988年の82.3%と大幅に増加している。


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