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第3章   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第1節  各国(地域)の科学技術政策
6.  欧州共同休,欧州


欧州は地域全体として,欧州宇宙機関(ESA),欧州原子核研究機関(CERN)といった研究機関において,大型研究プロジェクトを共同で進めてきた。近年,欧州地域としての企業の競争力を強化するための動きがではじめ,1984年には欧州共同体(EC)によるフレームワーク計画が,1985年にはEC加盟国を中心したユーレカ計画が始まっている。

(EC)

ECは1992年の市場統合を控えて,競争力,技術力の強化を図るために,科学技術政策を意欲的に推進している。

ECの科学技術政策の基本は,各国政策の比較評価を行い,補完することである。そのための目標として,1)域内市場完成のために欧州の競争力を改善する,2)効果的な環境政策の推進,保健・安全などの面で国境を越えた対応を図り,生活の質的向上を図る,3)基礎研究力を確保する,ことを掲げており,欧州全体としての基礎研究と応用研究の実施のバランス,研究成果の自由流通が進められることを前提とした産業界と大学との協力,先端技術の重視,低水準にある民間の研究投資の拡大,技術の迅速な利用とその普及,欧州全体の科学技術力を向上させるための政策課題と結束,米国,日本,途上国,東欧等との関係の緊密化,技術保護主義の排除等を課題としている。

ECは,1984年からフレームワーク計画を推進している。フレームワーク計画の対象は競争前の基礎的な研究であり,エスプリ (新情報技術開発),レース(広帯域総合通信技術),ブライト (製造技術・先端材料技術)等のプロジェクトがある。1987〜91年の第2次計画において,54億ECU(約8,200億円)を投入するとともに,1990年〜94年の第3次計画では,情報通信技術,工業・材料技術,環境保護,生命科学技術,エネルギー等の研究開発のために,57億ECU(約8,700億円)を投入することとしている。フレームワーク計画には,第2次計画の90〜91年分の予算31億ECU(約4,700億円)と併せて,今後5年間で88億ECU(約1兆3,000億円)の予算が投じられる予定である。また,第2次計画より第3次計画は,基礎研究から応用面に重点を置いている( 第3-3表 )。

(ユーレカ計画)

1985年,米国と日本に対する欧州企業の先端技術の競争力を強化するために,フランスのミッテラン大統領の提唱で,EC12カ国,EC委員会及びEC非加盟国7カ国の参加により,ユーレカ計画が開始された。情報処理(15億ECU,50プロジェクト),通信機器(12億ECU,19プロジェクト),ロボット工学(11億ECU,70プロジェクト),パイオテクノロジー等の先端技術分野のプロジェクトが推進されており,総事業費は65億ECU(約9,750憶円),プロジェクト数297,参加研究機関数1,600にまで及んでいる。

ECの進めるフレームワーク計画が競争前の基礎的な研究を対象としているのに対し,ユーレカ計画は製品段階までの技術開発を対象としている。1989年6月,ウィーンで開かれた関係国の閣僚会議でこの計画の一層の拡大を図ることが合意されている。

第3-3表 フレームワーク計画の概要

(参考)欧州諸国の研究費及び研究者数(1987年)

(欧州域内の共同研究)

フレームワーク計画,ユーレカ計画のような産業界強化のほか,欧州地域では大型の研究プロジェクトの共同研究が推進されている。欧州宇宙機関(ESA)は欧州独自の宇宙活動を推進しており,宇宙探査から実用衛星の打ち上げまでの幅広い宇宙協力を実施している。その他,欧州原子核研究機関における大型加速器による素粒子物理学の研究,ユーラトムによる核融合(現在フレームワーク計画に統合)等が実施されている。また,EC内の政府あるいは企業による協力で,エアバス等の開発が推進されている。


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