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第3章   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第1節  各国(地域)の科学技術政策
3.  フランス


(概況)

フランスでは,公的研究機関及び大学における研究開発が充実しているのに比べ,産業における技術開発が弱い傾向にあり,航空,宇宙,エネルギー,通信の大規模プロジェクト及びヒトゲノム,環境等に関する基礎研究を中心とした科学技術活動が政府主導で行われており,研究費に対する政府負担の割合は51%と多い。

(基本方針)

1988年の研究費は1,305億フラン(2.8兆円)であり,国内総生産(GDP)比は2.3%となっているが,これを1995年までに3%にまで増加させることを目標としている。このため,政府研究開発予算を増額するのみでなく,技術の民間への移転や税制上の優遇措置などにより企業の研究活動の奨励を行っている。

1990年代の優先課題としては,民間企業の研究開発の支援等による産業界の技術水準の向上,国全体としての研究者の積極的な雇用による基礎研究の活性化などがある。

(体制)

科学技術行政は各省庁で行われているが,総合的な科学技術施策及び各省庁間の調整は研究技術省(MRT)で行われている。研究技術省は1988年の第2次ミッシエル・ロカール内閣により,研究・高等教育省が改組・分離されて大学等を所管する文部・青少年・スポーツ省と共に設置されたもので,1990年には内部の再編成が行われた。

公的研究機関は,国立科学研究センター(CNRS),国立農学研究所,国立保健医学研究所等の科学技術的性格の公共機関(EPST)と,原子力庁,国立宇宙研究センター,国立海洋開発研究所等の産業商業的性格の公共機関(EPIC)などから構成されている。

これらの公的研究機関は,研究技術省の所管であるものが多く,複数の省庁で共管されている場合も多い。

公的研究機関のうち,特に,国立科学研究センターは研究者約2万人(公的研究機関のおおよそ3分の2)という最大の組織であり,予算面でも,1990年度は103億フラン(約2,000億円)で,民生用研究開発予算の23%を占めている。

(最近の施策動向)

民生用研究開発予算は,1990年に約7.1%増加しており,その53%は基礎研究に充当されている。

企業内研究への支援として行われている税制措置(増加研究費控除)は,あらゆる商工業企業が適用対象であり,1987年の税額控除額は22.5億フラン(541億円)となっている。

基礎研究の活性化のため,公的研究機関の研究者数を新たなポストの創設等により年率4%で増加させるとしているほか,企業での研究者等の採用の促進を図っている。また,基礎研究分野における優先課題を特定するため,国内の各地において大シンポジウムを開催するとしている。

地域政策として,パリ周辺のイル・ド・フランス地域に集中(研究者の60%,研究費の57%を占めている。)している研究活動をパリ周辺以外の地域でも活性化するため,テクノポールと呼ばれる先端技術拠点を建設し地域振興を図っているが,まだ大きな成果が得られるには至っていない欧州各国との協力では,ユーレカ計画でのHDTVの開発等で中心的な役割を果してきており,今後も,研究所と大学のネットワーク化の推進,研究者の交流の活発化等が必要であるとしている。


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