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第3章   海外及び我が国の科学技術活動の状況


主要国政府は,人類の可能性への挑戦,地球環境問題等国際的な課題への対処,産業競争力の強化などのために科学技術政策を重要な政策の柱として積極的に推進する姿勢を示している。米国は,将来の成長及び人類のフロンティア拡大を図るために,研究開発,宇宙及び教育への重点投資が必要であるとして,国立科学財団の予算倍増計画,地球規模の環境変化研究,先端技術の研究開発等を重点的に推進しようとしている。

西ドイツは,産業界への助成を縮小し,基礎研究,宇宙開発等の国家的課題への資金投下をさらに強めてきており,フランスは,科学技術力強化のため,1995年までに研究費を国内総生産(GDP)の3%にまで拡充する目標を掲げ,公的研究機関の増強やハイテク分野,大型研究開発プログラムへの投資を拡大している。また,アジアNIEs・ASEAN等の途上国は産業技術蓄積のため,技術導入,人材育成を中心とした科学技術政策を強めている。

こうした各国政策動向の一方で,近年基礎研究を始めとして大型研究施設等には多額の資金,多くの人材を要するようになってきており,効率的な研究の実施のため,国際協力の重要性が増している。欧州ではすでに欧州原子核研究機関の大型加速器など大型研究が国際協力によって進められており,こうした国際協力・国際共同研究は世界的な傾向となっていくであろう。

科学技術に関する指標を概観すると米国が圧倒的な科学技術大国であることが示されており,研究費,研究者数でみると我が国,西ドイツ,フランス,イギリスがこれに続いている。主要国の研究費はいずれも増加傾向にあり,国民総生産に対する比率でみても各国の科学技術活動の比重が増している。特に産業界の世界的な競争の激化を反映して,主要国とも産業界の研究開発費の伸びが大きく,とりわけ我が国の伸びは著しい。主要国の研究者数についても増加傾向がみられ,我が国は米国の伸び率とほぼ同等であるが,これは産業界の研究開発投資が活発であることによるものである。主要国産業界の製品開発が活発化していることから技術貿易は各国とも拡大しており,我が国産業界は高い製造技術力に支えられハイテク製品輸出額は大きい。こうした主要国政府,産業界の科学技術に対する積極的な取り組みの中で,我が国の科学技術における国際的地位は着実に向上しているとみられる。

本章では,各国(地域)の科学技術に関する政策の動向を見ていくとともに,主要国の科学技術に関する指標の比較を通じて我が国の研究活動の状況を述べることとする。


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