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第2章   豊かな生活を創造する科学技術への期待
第2節  生活者の視点からみた科学技術
2.  快適で安全な環境
(2)  地域環境の保護


我が国では,昭和40年代の大気汚染,水質汚濁の公害問題に対して,亜硫酸ガス,亜硝酸ガス,高BOD(生物化学的酸素要求量)排水等の処理技術の開発が行われ,汚染度の改善に寄与している。

科学技術庁が平成2年7月に民間企業に対して実施した「民間企業の研究活動に関する調査」(以下,「民間企業活動調査」という)によれば,製品の消費後の処分の方法,あるいは再処理に関する研究を行っていると回答した民間企業は,出版・印刷業,油脂・塗料工業,ゴム製品工業等で高い割合を占めた。さらに,製品の処分・再利用については,「製品又は競争強化に関する研究で手一杯である」と回答した企業が比較的多かった(16%)が,一方で「自ら技術を開発して処分(または再利用)すべきである」と回答した民間企業が多い(22%)。民間企業において,環境保全への関心の高さがうかがわれる。

亜硫酸ガスの原因となるイオウ分の石油等からの除去は,触媒技術の発展に負ってきている。触媒による浄化技術により自動車の排気ガスから窒素酸化物や一酸化炭素等の排出が抑制されてきた。煤煙については,燃焼技術の改良でその発生を少なくしたり,発生した煤煙を集塵機等で回収する技術が開発されている。これらの環境汚染防止技術は欧米より優れており,東欧等の酸性雨の被害の大きい地域への技術移転が望まれている。

廃棄物の適正処理の推進は,生活環境を保全し,公衆衛生の向上を図るうえで極めて重要である。現在の処理施設は高度の科学技術を駆使した設計がなされているが,今後とも量的に増大し,質的にも多様化する廃棄物に対応したより効率的な処理を行うため,また,地域との調和を図った処理施設のアメニティ化を推進するために一層の科学技術の発展が望まれる。他方,廃棄物の発生を抑制し,資源化・再利用を進める技術の開発は,資源の有効利用の観点のみならず,廃棄物処理の負担の軽減化の観点からも重要となっている。

増大するごみ処理需要に応えるため,清掃工場を地下に建設するなど数十メートルの地下空間において処理・処分する技術の開発も検討されている。また,民間企業において,自然界で分解するプラスチック等環境への負荷が少ない製品やリサイクルを前提とした製品等,生産段階から廃棄物として処理されることを考えた製品の開発等が行われることが期待されている。

排水による汚染防止には,まずその汚染度を知ることが重要であるが,その計測手段としてバイオテクノロジーやセンサー技術等によって微生物を用いたBODセンサーが開発されている。また,微生物の活性を利用して効率良く排水を処理する方法が開発されている。


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