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第2章   豊かな生活を創造する科学技術への期待
第2節  生活者の視点からみた科学技術
1.  健康な身休
(3)  身体機能の補助


身体障害者や,増加する高齢者が社会の中で活躍するためには,身体障害者の障害部位を補助したり,高齢者の衰えた身体機能を補う機器の開発がますます重要となろう。ここでは,聴覚,視覚等の感覚機能の補助,人工臓器,移動補助装置等の身体機能の補完について,技術との関連を分析した。

この分野では,使い易く生体適合性の高い機器の開発が重要である。

そのため,生体と材料の適合性に関する研究が求められている。

(感覚の補助)

人間の聴覚,視覚の衰えを補助する機器は,各種のセンサーの開発や人工知能等主にエレクトロニクス技術の発展により,一層使いやすいものとなっていくものと期待されている。

補聴器は,エレクトロニクス技術の進歩により小型化が達成され,現在では耳に入る大きさの補聴器も市販されている。エレクトロニクス技術の進歩と小型電池の開発により,超小型,高性能で一人一人の特性にあわせて使いやすい補聴器が開発されるものと期待されている。

視覚の補助器具であるコンタクトレンズは,新素材の開発により使いやすくかつ人間への親和性が非常に高くなってきているが,より多くの人が容易に使用できるよう一層の性能向上が求められる。また,センサー技術を用いた視覚障害者用の補助装置が開発されている。

(身体機能の補完)

人工歯や人工骨に対する需要は高齢化社会の到来とともに増加している。これらは,人間にとって使用しやすく,人体に親和性があり違和感のないものが求められている。これらの要求にあった新素材の開発が期待されているが,素材と生体適合性に関する基礎的な研究が必要になっている。

人工臓器については現在は腎臓が主体であり,平成元年の人工腎臓の国内生産額は500億円を上回っている。人工腎臓による治療法は一般に普及しているといえるが,将来的には新素材の開発により,一層の小型化が進められるものと期待される。この他,人工心臓,人工肺,人工肝臓,人工すい臓等の開発も進められており,新素材の開発によってこれらの開発が促進されるものと期待されるが,それら素材を活用するための生体適合技術,縮小化技術及び生体情報制御技術の研究が必要とされている。

移動の補助装置としては,電動車椅子や身体障害者用の自動車の開発が便益をもたらしている。これらの開発により,身体障害者の行動範囲が広がったといえる。また,家庭内をみても家庭用エレベーター等昇降用の補助装置が開発されている。今後,こうした移動用の補助装置については,軽量小型の電池や電動モーターが開発されることにより,さらに便利なものになると期待されている。

また,電動義足,義手等が開発されているが,これらについても新素材の開発により軽量化が図られるものと期待される。これらの機器は使う人の個人特性に応じて製造する必要があり,製造技術の開発も必要である。


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