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第3部   政府の施策
第4章  民間などの研究活動の振興
3.  税制,金融による振興


我が国の研究活動の円滑な推進を図り,技術水準の向上を図るため,民間の支出する研究費に対して税制上,金融上の措置を講じている。

科学技術振興のための税制上の措置については,国税,地方税を通じて所要の特例措置を講じている。昭和42年度に創設された増加試験研究費の税額控除制度は,試験研究費が過去の最高水準を越えて増加した場合はその増加部分の20%を税額から控除するものであり,民間における自由な創意工夫に基づく研究活動の展開に大きな役割を果たしている。さらに,増加試験研究費税額控除制度に加えて,基盤技術開発研究用資産の取得価額の7%の税額控除を認める基盤技術研究開発促進税制及び増加試験研究費税額控除制度との選択で,中小企業者等の各事業年度の試験研究費について,6%の税額控除を認める中小企業技術基盤強化税制が昭和60年度に創設された。なお,これらの制度の創設に関連して,地方税においても法人住民税法人税割において同様の特例措置を創設している。

また,技術等海外取引に係る所得の特別控除制度,特定公益増進法人に対する寄付金の損金算入制度,開発研究用減価償却資産の耐用年数の設定などが実施されており,それぞれの分野で大きな貢献をなしている。このほか,地方税として,学術研究を目的とする民法第34条の法人の研究用資産に対する固定資産税,不動産取得税等の非課税,鉱工業技術研究組合の機械,装置に対する固定資産税の軽減,遺伝子組換え技術等の研究を行うにあたり,公共への危害を防止するために必要となる機械設備に対する固定資産税の軽減などの措置が講じられている。主な科学技術振興関係税制を 第3-4-5表 に示す。

金融上の助成措置としては,日本開発銀行等の技術振興融資制度(産業技術振興融資制度,情報化促進融資制度)があり,低利の融資を実施し,我が国技術水準の向上に大きく貢献している。日本開発銀行の技術振興融資制度は,我が国産業技術水準の向上及び産業・社会の情報化促進等をねらいとするもので,昭和63年度の融資総枠(実績)は,1,947億円となっている。また,中小企業金融公庫等においても,新事業・技術振興貸付制度を設け,中小企業の技術力向上及び新技術の企業化等の促進等を図っているところである。

さらに,ベンチャービジネスを中心とする研究開発型の中小企業育成の見地から,高い技術力をもちながら資金調達力の不足により研究開発を遂行できない中小企業のために,(財)研究開発型企業育成センターが研究開発費の借入れに対して無担保の責務保証を行っている

第3-4-5 主な科学技術振興関係税制





また,昭和63年度に創設された中小企業に対する新事業開拓保険制度は,,中小企業が新製品・新技術の開発研究・企業化,需要の開拓等,新たな事業の開拓等に要する資金を金融機関から借入れ,中小企業信用保険公庫の保険が付保されるものである。

さらに,昭和60年6月,「基盤技術研究円滑化法」が制定された。この法律では,民間において行われる基盤技術 (注)1 に関する試験研究を円滑化し,民間の基盤技術の向上を図ることを目的として,試験研究の環境の整備のため,国有の試験研究施設の廉価使用,国際共同研究に係る国有特許権などの取扱の弾力化の特例措置を規定する他,産業投資特別会計からの出融資,日本開発銀行及び民間からの出資などを資金として,民間において行われる基盤技術に関する試験研究の促進を図るため,出融資事業等を行う基盤技術研究促進センターを設けることが規定されている。この法律に基づき,特別認可法人基盤技術研究促進センターが昭和60年10月1日に設立され,昭和63年度には事業として,出資8件(昭和63年度出資額7億円),融資22件(昭和63年度融資額5億円)を採択した。

また,昭和61年5月,「生物系特定産業技術研究推進機構法」が制定された。この法律では,産業投資特別会計からの出融資及び民間からの出資等を資金として,民間において行われる生物系特別産業技術 (注)2 に関する試験研究を促進することを目的として,民間において行われる生物系特定産業 技術に関する試験研究に対する出融資事業等を行う生物系特定産業技術研究推進機構を設けることが規定されている。この法律に基づき,特別認可法人生物系特定産業技術研究推進機構が昭和61年10月1日に設立され,昭和63年度には事業として4件(昭和63年度出資額14億円),融資15件(昭和63年度融資額22億円)を採択した。

さらに昭和62年5月「医薬品副作用被害救済基金法」が「医薬品副作用被害救済・研究振興基金法」に改定された。この法律では,民間において行われる医薬品技術等に関する試験研究を促進することを目的として,産業投資特別会計からの出融資及び民間からの出資等を資金として,民間において行われる医薬品技術等 (注)3 に関する試験研究に対する出融資事業等を行う医薬品副作用被害救済・研究振興基金を設ける(従来の医薬品副作用被害救済基金を改組)ことが規定された。この法律に基づき,特別認可法人「医薬品副作用被害救済・研究振興基金」が昭和62年度に設立され,昭和63年度には,事業として出資2件(昭和63年度出資額2億円),融資5件(昭和63年度融資額1億円)を採択した。

また,昭和63年5月に「産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律」が制定された。この法律では,産業技術 (注)4 の向上を図り,あわせて産業技術の分野における国際交流の進展を図ることを目的として,新エネルギー総合開発機構を新エネルギー・産業技術総合開発機構に改組して,一般会計及び産業投資特別会計からの出資等を資金として,新たに産業技術に関する研究開発,研究基盤施設の整備等とともに,研究基盤施設 (注)5 の整備等に必要な資金供給のための出資が業務に加えることが規定されている。この法律に基づき,昭和63年10月1日に特殊法人新エネルギー総合開発機構が特殊法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に改組され,昭和63年度には事業として出資3件(昭和63年度出資額15億円)を採択した。


(注)1.鉱業,工業,電気通信業及び放送業(有線放送業を含む)の技術その他電気通信に係る電波の利用の技術のうち,通商産業省又は郵政省の所掌に係るものであって,国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するものをいう。以下,本項において同じ。


(注)2.その業務において生物の機能を維持増進し,若しくは利用し,又は生物の機能の発現の成果を獲得し,若しくは利用する事業で次に掲げる業種に属するものに関する技術(注1でいう基盤技術に該当するものを除く。)のうち当該事業を所管する府省の所掌に係るものであって,その開発に当たり生物の機能又はその発現の成果の特性に密接に関連する試験研究を必要とするものをいう。

(1)農林漁業(2)飲食料品製造業及びたばこ製造業(3)(1),(2)に掲げるもののほか,その業種に属する事業に関する技術の性格を勘案し,その技術の高度化を図ることが特に必要でかつ適切と認められる業種として政令で定めるもの以下,本項において同じ。


(注)3.医薬品(薬事法第2条第1項に規定する医薬品をいい,専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)の生産又は販売に関する技術のうち厚生省の所掌に係るものであって,その品質,有効性及び安全性の確保又は向上に寄与するものその他国民の健康の保持増進に相当程度,寄与するものをいう。

そのほか,医療用具(薬事法第2条第4項に規定する医療用具をいい,専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)その他人の疾病の診断,治療若しくは予防に使用されること又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている物の生産又は販売に関する技術のうち厚生省の所掌に係るものであって,これらの品質,有効性及び安全性の確保又は向上に寄与するものその他国民の健康の保持増進に相当程度寄与するものをいう。以下本項において同じ。


注)4.鉱業及び鉱業の技術のうち通商産業省の所掌に係るものをいう。以下本項において同じ。


注)5.技術革新の進展に寄与する高度な産業技術に関する研究開発を行うために必要な相当の規模の施設及び設備であって,産業技術に関する研究開発を行う者の共用に供されるものをいい,新エネルギー・産業技術総合開発機構が自ら整備する施設にあっては,原子力に係る技術に関する研究開発を行うためのものを除く。

以下本項において同じ。


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