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第1部   平成新時代における我が国科学技術の新たな展開
第1章  わが国科学技術の推移と新たな展開
6.  科学技術をめぐる新たな要請
(2)  科学技術における倫理面での対応


科学技術の急速な進歩は,その社会との調和と受け入れに関する課題を提起した。ライフサイエンスの進歩は生命倫理(バイオエシックス)のあり方を問いかけている。このことは脳死と臓器移植,末期医療と生命維持などの社会問題となって現れている。また情報化の進展はプライバシー保護と心の豊かさの追求,また,生産効率化のための大量の自動化システム・ロボットの導入は人材の再配置などの社会的に対処すべき重要な課題を生んできた。

このような科学技術と人間あるいは社会との関わりとそのあり方については,自然科学のみならず,人文・社会科学の見地からの検討が必要である。

特に,ライフサイエンスは,21世紀に向けて開花する比較的新しい科学技術分野であり,人間を中心とする研究領域であるだけに,自然科学のみならず,哲学,法学,゛倫理,宗教などを含む広い視野からその研究や成果利用のあり方を探求していく必要がある。

このため,科学技術会議では,昭和60年7月に人間の尊厳,倫理等の観点から検討を加え,ライフサイエンスの健全な発展を促すため,広範な分野の学識経験者で構成する「ライフサイエンスと人間に関する懇談会」を設置した。これまでに,生物学,哲学,法律等と生命倫理との関連をはじめ,ライフサイエンスの進歩と生命の価値についての基本的な考え方を探るために,種々の立場からの倫理を中心に議論を深めている。

第1‐1‐75表 「生命科学と人間の会議」の開催状況

本件は国際的な課題でもあり,主要国においてもそれぞれの事情に即した検討が行われるとともに,1983年に米国ウィリアムズバーグで開催されたサミットにおいては我が国から国際的な生命倫理の検討の場(「生命科学と人間の会議」)を設立する提案を行い,合意をみた。その第1回会合は1984年3月我が国において開催され,本年は第6回会合がEC主催で行われた (第1-1-75表)

ライフサイエンス分野は人間と社会との関連の中で,研究開発,あるいはその実用化を進めていくべきものであるが,科学技術の拡散と普及に伴い,その他の分野においても従来以上に人間及び社会との調和,特に,倫理的側面に配慮しながら進めるべきテーマが多くなっている。今後,さらに科学技術と人間及び社会との調和のあり方を探求するとともに,個々の分野や事業においても,科学技術の社会性と倫理的側面を十分意識した活動の実施と評価が望まれるところである。


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