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第1部   平成新時代における我が国科学技術の新たな展開
第1章  わが国科学技術の推移と新たな展開
6.  科学技術をめぐる新たな要請
(1)  生活の質的向上と真の豊かさ


我が国社会は現在大きな変化の過程にある。円高効果も含めた大幅な所得向上と消費拡大,経済社会の国際化,高齢化社会の到来,都市集積化,情報化などの要因が複雑にからみ合って我が国社会構造は大きな変化をとげつつある。このような中で,すでに物的豊かさを達成している我が国では,国民から,生活の質的向上,精神的豊かさが強く求められるようになった。科学技術はこのような社会変化をもたらす大きな要因であると同時に,このような要請に的確に対処する途を模索するべき役割を担っているといえる。

科学技術は,これまで主に利便性,快適性を求める手段として物的豊かさをもたらし,生活水準の向上,労働条件の改善,生活の楽しみの向上に大きく寄与した (第1‐1‐73図) 。最近においては,これにとどまらず社会及び個人の多様なニーズへの対応が重要な課題となっている。生活の質的向上の見地からは,健康度の向上,身障者や高齢者等への医療水準の向上,居住等生活環境の改善,より高い安全の確保などがある。今日技術の拡散と普及が進み,広く科学技術が社会に活用されつつあるが,これらの対応には今後に期待されるところが大であり,また,未だ一般生活面においては,科学技術の発達により道徳性が低下したとみる国民が多いように,精神的な豊かさを実感できるまでには至っていないとされるところもある (第1-1-73図)

第1‐1‐73図 科学技術の発達は人間の生活を向上させたか

第1‐1‐74図 日本は良い方向に進んでいるか

国民は一般的には我が国科学技術は良い方向に進んでいるとしており,否定的な見方はわずかである (第1‐1‐74図) 。科学技術に対する国民の信頼度は高いと言えよう。このような国民の期待を担い,科学技術の政策面でも,実施面でも,科学技術と社会や国民生活との調和ある発展を図り,物的のみならず精神的豊かさを生みだしうるよう各方面においてたゆまぬ努力が要請される。


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